水銀の説もある徐福伝説の地、4月例祭では太刀振りと花踊りの奉納
[住所]京都府与謝郡伊根町新井
[電話]0772-32-0502

新井崎神社(にいざきじんじゃ)は、京都府与謝郡伊根町新井にある神社。御朱印の有無は不明。

創建は平安時代の長徳4年(998年)7月7日とされている。しかし、徐福との絡みを考えれば、創祀はもっと古い可能性がある。

子の日崎・子日崎・新崎とも呼ばれる新井崎の突端に鎮座する。御祭神は、事代主命宇迦之御魂神・徐福。

御神体は約30センチの男神・女神(童男・童女)の木像。これにより童男童女宮とも呼ばれる。

社殿に関して、戦国時代の文禄年間(1593年-1596年)に建立され、江戸時代前期の寛文11年(1671年)に再建されたという。

その後石段をはじめ境内が整備され、現在の社殿は昭和36年(1961年)4月、本殿の修理と上屋が再建された。

別当は玉林寺だったが、明治以降は宇良神社(浦嶋神社)が所管しているという。

「徐福上陸之地」の碑がある。日本全国に残る徐福に関する伝承の一つとして、有名な神社でもある。京都の自然200選の一つ。

徐福は、秦の始皇帝に不老不死の薬を探し求めるよう命じられ、海を渡って当地に辿り着いた。

探したものの、なかなか見つからなかったが、「九節の菖蒲と黒茎の蓬」がそれだろうと確信した。

しかし、海が荒れるなどして帰れなくなり、当地で一生を終えた。その間、徐福は当地の産業振興にも力を入れたので、村人から慕われたという。

徐福が先か後かわからないが、漂着地点に近い、海の見渡せる現在地に徐福も祀られた。

徐福が探し出した「九節の菖蒲と黒茎の蓬」について、黒茎の蓬はからよもぎといい、普通のよもぎと異なって葉の裏の白毛が少なく、よもぎ餅を作るのに適するという。

生長するともぐさになる。当社周辺の新井崎海岸(のろせ海岸)に現在も自生している。

一方で、新井崎(にいざき)は丹生崎(にゅうざき)であり、水銀を意味するとの指摘もある。江戸時代の平賀源内もこの地の水銀の可能性に触れており、徐福伝説もこの水銀との関連が指摘される。

例祭は4月15日。古くは旧暦9月20日で、後に旧暦7月6日となり、昭和5年(1930年)に4月15日となった。昭和34年(1959年)に伊根町の祭日は8月3日に統一されたが、昭和48年(1973年)に再び4月15日となり現在に至る。

宵宮には青年と若家主が中心となり、手丸提灯を持って参拝する。

本祭は三柱神社(三宝荒神社)・当社・龍権さん・老人島神社・愛宕社・恵比須社・本尊さん(玉林寺)・金比羅社に、太刀振りと花踊りを奉納する。

翌日の後宴では、宇良神社・秋葉社に祭礼を入れる。

境内には、天保7年(1836年)8月奉納の小狛犬、天保11年(1840年)5月奉納の大石灯籠、明治43年(1910年)奉納の石灯籠・狛犬、明治45年(1912年)奉納の大狛犬などがある。

【ご利益】
水難除け、海上安全、大漁満足・五穀豊穣、諸願成就
新井崎神社 京都府与謝郡伊根町新井
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