もとの式内小口神社=山口神社、鎌倉期に八幡を勧請、郷社祭りなど
[住所]愛知県瀬戸市八幡町3
[電話]0561-84-9723

山口八幡社(はちまんしゃ)は、愛知県瀬戸市八幡町にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「小口神社(尾張国・山田郡)」に比定される式内社(小社)の参考社。近代社格では郷社。

創建年代は不詳。古くは山口神社と呼ばれた。『尾張志』では、「(式内の)小は山の誤り」として、当社を式内比定している。

『尾張国神名帳』に「従三位 山口天神」とある。御祭神は天照大神・天目一箇神などとされる場合がある。

その後、鎌倉時代の承久2年(1220年)、清和天皇の十二世孫山田次郎重忠が当地に八幡宮を勧請し、社殿を造営したという。

貞応2年(1223年)9月15日に竣工、同時に山口神社を合祀した。御祭神は、神功皇后応神天皇多紀理毘売命市寸島比売命田寸津比売命宗像三女神

山田郡は室町時代中期に荒廃して春日井郡と愛智郡に別れ、山口村は愛智郡に属し、その東端三河との国境を鎮護する神社として祟敬された。

毎年9月15日に祭事の後、翌16日の大祭には近郷24ヶ村の村民すべてが飾馬を率いて参詣したという。

明治5年(1872年)には郷社に列し、近年まで郷社まつりが盛大に行われたという。平成25年(2013年)には20年ぶりに山口郷社祭りが開催された。

現在の正式名称は八幡社。現在の例祭は10月第3日曜日で、秋季例祭。山口棒の手という棒術の奉納演武などがある。

社頭には6世期末の古墳をはじめ、鎌倉時代の古窯、当地方最古の鳥居などがあり、往時の隆昌が偲ばれる。

この鳥居は石造鳥居で、江戸時代前期の延宝5年(1677年)建造。高さ308センチの明神鳥居。市の有形文化財に指定されている。

また、延宝7年(1679年)の石灯籠もある。高さ178センチ。市内で二番目に古い。三味線胴型に膨らんだ六角大袋が力強い。

境内には、山口稲荷・山口天神・琴比羅社・祖霊社など21座の神々が祀られている。また、樹齢700年、樹高10メートルのツブラジイが、瀬戸の名木に指定されている。

境内には、平成17年(2005年)に開催された愛知万博「愛・地球博」にNPO法人社叢学会が、神社の森をはじめ、自然の森の保全・拡充を図ることをテーマに出展した、千年の森・天空鎮守の森が移築・移植されている。

初詣や夏の茅の輪くぐりの他、境内から八幡川沿いに桜が植えられ、桜祭りが開かれて、数多くの人出で賑わう。

『延喜式神名帳』尾張国には山田郡の他、丹羽郡にも「小口神社」が記載されている。山田郡の式内社「小口神社」は所在不明とされる場合が多い。

山田郡の式内社「小口神社」の論社や参考社は他に、小牧市野口惣門の八幡神社、同じく野口神尾前の白山社、名古屋市北区の山田天満宮がある。

【ご利益】
厄災除け、安産、武運長久・勝運
山口八幡社 愛知県瀬戸市八幡町
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