犬の御幣で洪水除け、天武朝に稲を皇室に献上、愛犬家やペット飼い主
[住所]愛知県名古屋市西区稲生町2-12
[電話]052-521-8800

伊奴神社(いぬじんじゃ)は、愛知県名古屋市西区稲生町にある神社。『延喜式神名帳』にある「伊奴神社(尾張国・山田郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では郷社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

第40代天武天皇2年(673年)、この地で取れた稲を皇室に献上した際に建立されたものと伝えられている。

『尾張国神名帳』には「従三位伊奴天神」と記載されている。御祭神は、素盞鳴尊大年神・伊奴姫神。

伊奴姫神は、大年神の妃神とされ、『古事記』には大年神の妻神に伊怒比売の記載がある。

江戸時代には「熊野権現」などと称したという。

伊奴(イヌ)という名にちなみ、本殿の前には犬石像があり、戌年生まれの人や愛犬家・ペットの飼い主に親しまれ、特に戌年の元日は大勢の参拝者が訪れる。

しかし、当社の創建伝承には犬にまつわる伝説があるのも事実。
今でもこの辺りは稲生町、又穂町という地名が残り、昔は庄内川の豊富な水を使って稲作が盛んだったことは間違いなく、先の創建の経緯とも合致する。

しかし、一方で、村民は毎年の洪水に悩まされていた。そこに山伏が旅の途中に立ち寄り、一宿のお礼として、御幣を立て祈願した。

その年は不思議と洪水はなく、豊作となったという。不思議に思った村人は、山伏から開けてはいけないと言われていた御幣を開けてしまった。

するとその中には一匹の犬の絵と犬の王という文字が書いてあった。中身を見てしまったために、ご利益がなくり、次の年はまた洪水に見舞われた。

再び山伏が村を訪れたので御幣を開けてしまったことを謝り、もう一度祈願してほしいと頼んだところ、山伏は「御幣を埋め、社を建て祀れ」と言って立去った。
言われたとおりにしたところ、以後洪水はなくなり、稲がよく穫れるようになったという。そして冒頭の縁起に戻り、当社の創建となったという。

例祭は10月第2日曜日。前日の前日の宵宮祭では奉納踊り、当日は子供神輿が繰り出される。

境内社に、玉主稲荷社、白龍社、大杉社、日枝社(大山咋神)、天神社(菅原道真公)、春日社(武甕槌神経津主命)がある。

その白龍社の脇には、樹齢800年とされる椎の木の御神木がある。境内には他に、なんじゃもんじゃの木、シャシャンボの木などの樹木がある。

授与品には各種お守が用意され、遠方・多忙の方などへ向けた郵送による御守授与も行っている(授与品)。

【ご利益】
災害除け、厄災除け、子宝・安産(公式HP
伊奴神社 愛知県名古屋市西区稲生町
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