三島大明神と同族12神を祀る伊豆諸島最大の神社、12月に師走祭り
[住所]東京都新島村本村2-6−13
[電話]04992-5-1870

十三社神社(じゅうさんしゃじんじゃ)は、東京都新島村本村にある神社。近代社格では郷社。御朱印の有無は不明。

伊豆諸島を開拓した三島大明神事代主命)の御子である大三王子明神が、父の命の志を引き継ぎ、新島を本拠にしたと伝えられる。

大三皇子明、多祁美加々命とも呼ばれる大三王子明神は、島々の平定のため同族の12神とともに活動したという。

当社東側の峰路山には、縄文時代と弥生時代の土器片が発掘されている田原遺跡がある。

第6代孝安天皇の御代に伊豆国の東南沖に新たな島ができ、その時に祀ったとも、第32代崇峻天皇5年(592年)ごろに創建されたともされる。

事代主命など新島と関係のある13の神を祀る総社として創祀され、「十三社大明神」と称された。現在も通称は明神さま。

主祭神の事代主命(恵比寿神)の他、同族12神、つまり、大三王子明神・弟三王子明神・御蔵沢明神・泊御途口大后明神・野伏若御子明神・早嶋太前御前明神・若郷宮造明神・淡井姫后明神・冨蔵根后明神・鵜渡根后明神・鉈折御子明神・瀬戸明神を合祀する。

新島港に近い大三山の中腹には、大三王子明神と弟三王子明神を祀る大三王子神社がある。

この2神の母とされる「みちのくちの大后」が泊御途口大后明神とされ、現在は式根島の泊神社で祀られている。

野伏若御子明神は新島独自の伝承に見られる、大三王子明神の弟で、野伏若御子神社の御祭神。現在は泊神社に合祀されている。

康永2年(1343年)の『伊豆国神階帳』における「第三王子並十八所御子達」の記述は、当社と伊豆諸島の御子神達を指しているものとされる。

当初は新島村の中心部に位置したが、江戸時代前期の慶安2年(1649年)に起きた村の火災の影響で、現在地に遷座。

江戸時代中期の享保3年(1718年)、神祇官から神階の極位である正一位の宣旨がなされた。

明治6年(1873年)、郷社に列した。現在の社殿は、本殿が昭和8年(1933年)、拝殿が昭和15年(1940年)に新築されたもの。

伊豆諸島で最大の神社であり、当社背後には宮塚山の絶壁が見える。

現在は、天照皇大神・八幡大神・春日大神・東照宮を配祀する。境内社には、祖霊社・久須志神社・須賀神社・夜種神社などがある。

境外社を含む総数は20社を数える。境外社の中には、大三王子明神の2人の后の1人、御蔵澤(一ノ后)を祀る御蔵澤神社がある。

あと1人の后は太前ノ御前(二ノ后)で、早島神社の御祭神だという。早島神社は当社に合祀された神社だろうか。当社御祭神にも、一ノ后の他、何柱かの后神が見られる。

例祭は12月8日で、師走祭り。また、神事の「獅子木遣」(不定期)、「神楽」は都の無形文化財に指定されている。

特に獅子木遣は、木遣りを音頭に雄・雌2頭の獅子が舞う珍しい形態として知られる。

社宝として、都の有形文化財にも指定されている「銅鏡」や「絵」などを所蔵している。

近くには新島最古の井戸で、「まいまいず井戸」と呼ばれる原町の井戸、新島村博物館、流人墓地などがある。

【ご利益】
地域安全、地域振興、海難除け、海上安全、大漁満足
十三社神社 東京都新島村本村
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