出雲大社を勧請、「戸部の馬鹿幟」、「おしゃもじさま」や狛鼠
[住所]神奈川県横浜市西区中央1-13-1
[電話]045-321-1980

杉山神社(すぎやまじんじゃ)は、神奈川県横浜市西区中央にある神社。神奈川県や近隣の東京都内に数多い杉山社の一つ。旧戸部村に鎮座していたことから、戸部杉山神社とも。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 武蔵国 都筑郡「杉山神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

飛鳥時代の白鳳3年あるいは白雉3年(652年)、当地を開拓した杉山の一族が出雲大社大己貴命の御分霊を「塩田の浜」に祀ったと伝えられる。

さらに、当社の創建後には、近隣に「杉山」の名が付く神社が多くなったとも伝わる。茅ヶ崎中央の杉山神社も創建時期が同じである。

『新編武蔵風土記稿』戸部村の条にも「杉山明神社」と記載され、杉山神社72社の一つ。願成寺を別当寺とし、幕府より朱印地を与えられていた。江戸時代までは薬師如来を本地仏としていた。

明治6年(1873年)、村社に列した。大正12年(1923年)の関東大震災で被災。現在の本殿は昭和31年(1956年)に再建されたもの。

例祭は8月20日。「戸部の馬鹿幟」とも呼ばれ、関東大震災で焼失したのぼりの他、山車、神輿も非常に大きなものであったと伝わる。

また、神輿は、社頭にあった古墳の前で動かなくなったことがあり、神慮を畏み墳丘中に埋納し、神輿塚と称したとも。

境内社として、五社殿がある。社宮祠社、天神社(菅原道真)、稲荷社(宇賀之御魂命)、山王社(大山咋神)、厳島社(市杵嶋姫命)、浅間社(木花開耶姫命)、三峯社(伊弉諾命伊弉册命)の計7社。

このうち、社宮祠社は、古来「おしゃもじさま」といわれ、もともとくらやみ坂にあった。御祭神は猿田彦大神。源頼朝の故事が残り、百日咳を治すご利益があるという。

柳田國男の『石神問答』で考察の対象とされた、いわゆる「ミシャグジ」だという。

他に、聖徳太子殿があり、豊聰耳命が祀られる六角堂。太子講が構成されている。太子祭が1月22日・4月22日・9月22日にある。

なお、境内社のエリアは「風紀衛生防犯上」の理由により閉鎖されているため、参拝を希望する場合は社務所に申し出る必要がある。

狛鼠がある。鼠は大己貴命の使いであることから、平成14年(2002年)に創建1350年を記念して建立された。

台座は回転式で、拝殿に向かって右側がオス、左側がメスとなっている。男性は右側、女性は左側の狛鼠を一回転廻してお参りする。

また、俳優の黒沢年雄が奉納した大黒天像がある。

なお、式内社「杉山神社」の論社は他に、横浜市内に緑区西八朔町港北区新吉田町都筑区中川・都筑区茅ヶ崎町・保土ケ谷区星川港北区新羽町2576都筑区勝田町の各杉山神社、鶴見区鶴見の鶴見神社がある。

多くの論社は河川沿いにある場合が多いが、当社は帷子川水系の石崎川沿いに鎮座している。

【ご利益】
病気平癒、地域安全、縁結び、学業・受験合格
杉山神社 神奈川県横浜市西区中央
【関連記事】
杉山神社とは? - 横浜・川崎・町田に集中、『新編武蔵風土記稿』には72社
神奈川県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、神奈川県に鎮座している神社の一覧
杉山神社 神奈川県横浜市西区中央の御朱印