石杵が御神宝、明治初期伝授の秩父神社の神楽がそのままの形で伝承
[住所]埼玉県秩父市蒔田字宮平2167(中蒔田)
[電話]0494-23-9235

椋神社(むくじんじゃ)は、埼玉県秩父市蒔田宮平(みやでいら)、いわゆる中蒔田にある神社。中蒔田椋神社とも。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 武蔵国 秩父郡「椋神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

創始年代は不詳。石器時代の遺物である石杵を神宝石と称し、御神宝として祀っている。主祭神は、猿田彦命大己貴命・天下春命。

戦国時代の永禄12年(1569年)、武田信玄の軍により焼き払われ、社殿や古記録などを焼失した。

江戸時代中期の宝暦13年(1762年)、社殿が造営・再建された記録が残る。

明治9年(1876年)6月10日、村社に列し、同年10月5日、拝殿が再建された。明治39年(1906年)4月 神饌幣帛料供進社に指定された。

現在までに、菅原道真大山津見命2柱・素盞鳴命武御名方命・大地主命を合祀している。

例祭は3月15日。現在は市指定無形文化財となっている「中蒔田椋神社の神楽」が伝わる。3月第4日曜日に公開される。

幕末から明治の一時期にかけて、後継者不足から休止になった秩父神社の神楽が、秩父神社の神楽師佐野宗五郎により明治初期に当社の氏子に伝授されたもの。

明治7年(1874年)には奉納された記録が残り、この時にはすでに伝授されていた。秩父神社の神楽が最も早く伝わったのが当社だとされる。

その後座や舞の変革が行われなかったため、当時そのままの神楽が伝わっているという。

境内社には、稲荷・八幡、八坂・産泰の各社がある。

なお、式内社「椋神社」は多くの論社があり、当社の他、秩父郡皆野町皆野秩父郡皆野町野巻秩父市下吉田秩父市上蒔田に同名の神社がある。

このうち、上蒔田は当社と同じく蒔田字宮平にあるが、宮平の読みが違い、当社から南西方向、国道299号線沿いに約2キロほどの所に鎮座する。

珍しいケースだが、当社を含むこれらの論社はすべて、明治政府により式内社を名乗ってよいとの許可を得た。

【ご利益】
無病息災、病魔退散、交通安全、地域安全
椋神社 埼玉県秩父市蒔田字宮平(中蒔田)
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