式内名神大社「意波與命神社」か、下田富士に戦国期に社殿整備
浅間神社 静岡県下田市本郷851
[住所]静岡県下田市本郷851
[電話]054-261-9030

浅間神社(せんげんじんじゃ)は、静岡県下田市本郷にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』伊豆国賀茂郡にある「意波與命神社」(名神大社)、「竹麻神社三座」(小社)のうちの一座に比定される式内社の論社。

ただし、「意波與命神社」は、『延喜式臨時祭』「名神祭」には掲載されていない。また、写本によっては、名神大社ではない。近代社格では無格社。

創祀年代は不詳。下田富士と呼ばれるその山頂に鎮座。『伊豆国神階帳』に「従四位上 いわよ姫の明神」と記載される古社である。

江戸時代前期の元禄6年(1693年)の社記によると、御牟漏御所竹彦明神とも称し、以前は石祠九宇が祀られていたという。

戦国時代の永正年間(1504年-1521年)、当地の地頭だった朝比奈知明がこの九祠を一棟に改め、社殿を造営した。

山の形から、浅間神社と称したという。御祭神は現在、木花開耶姫となっているが、式内社名や『伊豆国神階帳』から考えて、もとの御祭神は意波與命だったとされる。

鳥居場の跡がある。昭和57年(1981年)まで鳥居があった場所。寛政5年(1793年)谷文晁の絵、嘉永7年(1854年)の黒船乗務員ハイネの絵にも描かれた。

それより昔は、この鳥居場の跡から九祠を遥拝したとも、祠もなかったころは、山そのものを遥拝したものとも考えられている。

例祭は6月1日。境内社に、淡島明神社・龍爪神社がある。
 
『静岡県神社誌』によると、『増訂豆州志稿』に、式内社「竹麻神社三座」は下田市にあり、一座は柿崎の武峯権現、一座が当社、一座が八幡宮だとする。

なお、式内社「竹麻神社」の論社は他に、賀茂郡南伊豆町の月間神社、若宮神社、三島神社、下田市吉佐美の八幡宮に合祀された三嶋神社、同市高馬の八幡社、同市柿崎の三嶋神社がある。

また、式内社「意波與命神社」の論社は他に、静岡県賀茂郡南伊豆町の白山神社があるとされる場合があるが、確認できない。

【ご利益】
水難除け、海上安全、安産
浅間神社 静岡県下田市本郷
【関連記事】
名神大社とは? - 名神祭の対象となる神々、式内社の中でも特異、その細かな特徴は?
静岡県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、静岡県に鎮座している神社の一覧