景行天皇の時代に創建、その祭祀を起源とする筒粥神事、安房国司祭
[住所]千葉県館山市山荻334
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山荻神社(やまおぎじんじゃ)は、千葉県館山市山荻にある神社。近代社格では村社。御朱印の有無は不明。

第12代景行天皇の時代、この地に祭場を定め、正倉を造り、和産霊神猿田毘古神を祀ったのが始まりとされる。

奈良時代の和銅年間(708年-715年)に新たに社殿を造立して、別に大穴牟遅命少毘古名命を加え四座を祀ったという。

古代には2町四方の神領を持ち、戦国時代の明応元年(1492年)、里見義成が神領8石を寄進、江戸時代になっても、徳川将軍家から朱印として引き継がれた。

江戸時代までは歳宮明神と呼ばれていた。毎年の稔りを守護する神の意。

現在の社殿は大正7年(1918年)に火災で焼失、大正12年(1923年)、関東大震災で倒潰したあと、昭和2年(1927年)に再建されたもの。

本殿・幣殿・神供所からなる構造で、本殿には棟持柱、板校倉造りなどに古代神明造りの特徴が残っている。

例祭は10月17日。2月26日には筒粥神事がある。景行天皇が諸国巡幸の折、当地で五穀豊穣を占ったことを起源とするもの。現在は、市の無形民俗文化財に指定されている。

祈念祭・宅神祭とも呼ばれるこの祭典は、開拓が進められる中、野獣の害を除く御猟神事や邪気をはらう大烽焚き神事、土地を耕し五穀を植えその吉凶を占う必要から生まれてきたともされる。

前日につくった粥に葦筒19本を入れて炊き上げ、神前に供える。祈祷が終わった後、宮司により筒粥が1から19まで並べられ、順次2つに縦割りされる。

筒の中の粥の量により、米など18品目の農作物の作柄と世情が判定され、結果が木版刷の紙札に記されて配られる。かつては、農家がこの結果を作付けの目安にしたという。

当社は、9月中旬に行われる鶴谷八幡宮の祭礼である安房国司祭、通称やわたんまちに神輿を出御する神社の一つ。

なお、境内には安政2年(1856年)奉納の、四隅の脚が邪鬼をかたどった、珍しい形の手水石がある。マンガ・アニメチックな造形の狛犬も安置されている。

【ご利益】
五穀豊穣、無病息災、交通安全
山荻神社 千葉県館山市山荻
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