丹生都比売大神が最初に降臨した地、鎌八幡やイチョウ、世界遺産
[住所]和歌山県伊都郡かつらぎ町三谷631
[電話]0736-22-3146

丹生酒殿神社(にうさかどのじんじゃ)は、和歌山県伊都郡かつらぎ町三谷にある神社。御朱印の有無は不明。

丹生都比売大神が紀の国三谷に降臨し、氏神と称えられ、明治6年(1873年)4月1日に村社に列した。

昭和10年(1935年)6月18日に官幣大社丹生都比売神社の摂社として合併され、戦後独立、現在に至っている。

丹生都比売大神は、丹生都比売神社の御祭神であり、天照大御神の妹とされる稚日女命。

神代の昔、御子神である高野御子とともに大和地方や紀伊地方を巡歴し、民に農耕や、機織り、煮焚など衣食の道を教えた。

その際、特に木の川(紀の川)の水で酒を醸したため、社号が定着したという。

当地は丹生都比売大神が最初に鎮座した土地で、丹生祝氏の本拠地とされる。榊を手にして天下ったため、社殿裏山を榊山と呼ぶ。榊山神社がある。

現在、丹生都比売大神は右坐で祀られている。中坐が高野御子大神で、狩場明神とも称えられている。他に建御名方命を祀る。

左坐が誉田別大神で、元熊手八幡とも、鎌八幡宮とも称し、香川県讃岐国多度郡風ケ浦に鎮座していたが、弘法大師空海が産土神として高野山に勧請したという。

明治2年(1869年)の神仏分離の際、官費を要し、当時の兄井村に新殿を設立して遷座。明治42年(1909年)9月5日に当社に合祀された。

鎌八幡宮は、無病息災、子宝、受験合格の願かけの御祭神として広く信仰されている。境内社としても鎌八幡宮がある。社殿の裏に、イチイガシの大樹を御神体とする。鎌が打ち込まれているのが特徴。

その願いが成就する時は、次第に深く突き刺さっていくが、叶わぬ時は抜け落ちるという。古く錆びているもの、柄がなくなったもの、新しいものまで多くの鎌が刺さっている。

例祭は、7月15日が夏季大祭、10月21日が例大祭で秋祭。ふとん太鼓が出る。 

天野丹生神主、丹生惣神主とも代替わりに儀式を行った竃門神社や、弘法大師の建立と伝わる薬師堂もある。

境内正面にはイチョウの巨木があり、当社のシンボルマークとなっており、秋の紅葉の美しさでも知られている。シーズン中、夜もライトアップされる。

当社と、丹生都比売神社を結ぶ参詣道は「三谷坂」と呼ばれ、世界文化遺産への追加登録が進められている。

酒殿神社という名称の神社は珍しいが、『延喜式神名帳』宮中の造酒司坐神六座に酒殿神社二座がある。関連は不明。

なお、和歌山市鳴神の鳴神社の境外社に鳴武神社があり、やはり酒造に関する女神の伝承が残る。

【ご利益】
衣食住の守護神、酒造、無病息災、子宝、学業・受験合格
丹生酒殿神社 和歌山県伊都郡かつらぎ町三谷
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