天香久山の山頂に鎮座する雨の竜王、雨甕・水甕が埋め込まれる
[住所]奈良県橿原市南浦町326
[電話]050-3456-3991

国常立神社(くにとこたちじんじゃ)は、奈良県橿原市南浦町、天香久山の山頂にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 畿内神 大和国 十市郡「天香山坐櫛真命神社」に比定される式内社(大社)の論社。

標高152メートルの山頂に、南面して小さな祠が二つあるのみ。向かって右が当社、左が高靇神を祀る高靇神社。

創建は不詳。御祭神は国常立尊。俗に雨の竜王と称し、寛政10年(1798年)の石灯篭に「天香山竜王」とある。

『五郡神社記』に「天香山坐櫛真智命神社一座、在神戸郷香山村山頂 但東南」とある。『大和志料』がこの説を採る。

式内社「天香山坐櫛真命神社」は、『延喜式』神名帳 宮中京中 京中坐神 左京二條坐神「久慈真智命神(大社、月次相嘗新嘗)」の本社でもある。

また、坂門神社・畝尾坐健土安神社・畝尾都多本神社の三式内とともに、「天香山坐四処神社」と称した。

式内社「天香山坐櫛真命神社」の他の論社に、天香久山の北麓に鎮座する天香山神社がある。

雨の神ということであれば、高靇神社の方がふさわしいが、現在では、両社合わせて雨の神とされる。当社前には雨甕・水瓶が埋め込まれており、現在も神聖視されている。
大和には群山あれど とりよろう天の香久山

天の香久山は「天から降ってきた山」「神聖な山」として 上古代人には畏敬の的でした。この聖なるお山にゴミを散らさないよう ゴミは必ずお持ち帰りください。
境内案内板である。こうした民度の低い案内板が掲示されることのないよう、マナーを守り、参拝・観光したいものである。

なお、天香久山は、「天香山」として、『古事記』天岩戸隠れの段で、5回も登場する。いずれも、天照大神を岩戸から引っ張り出す際の準備に必要なアイテムと関わる。

『日本書紀』神武天皇紀に、初代神武天皇東征の際、菟田の八十梟帥を征討する時に、天神が夢に現れ、
天香山の杜中の土で平瓫、厳瓫を作り天神地祇を敬祭せよ
と宣したと見える。

【ご利益】
雨乞い、祈雨、天候に関する諸祈願
国常立神社 奈良県橿原市南浦町
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