全国に四社しかない御神酒清酒醸造の神社、室町期からの醸造法
岡崎八幡宮 山口県宇部市船木392
[住所]山口県宇部市船木392
[電話]0836-67-0071

岡崎八幡宮(おかざきはちまんぐう)は、山口県宇部市船木にある神社。御朱印の有無は不明。

奈良時代の宝亀元年(770年)、和気清麻呂が勧請したと伝わる。

御祭神は、玉依姫命・日女命・宗方三柱大神多紀理毘売命市寸島比売命多岐津比売命)・応神天皇神功皇后(大帯姫命)・仲哀天皇

日女命は卑弥呼に通ずるともされるが、特定はできない。ただ、もともと当地は神功皇后ゆかりの地であり、神功皇后が当地で米の作り方を習ったと伝わる。

この故事に基づき、創建以来と考えられるお神酒造りが行われ、社家の宇津見家が代々酒造にたずさわり、口伝によって継承されている。

室町時代の応永3年(1396年)、大内義弘が再建し、神田を寄進した。

また、義弘が旧暦2月に早米を植え付けて祈年祭とし、6月中に刈り上げ、御神飯・御神酒を作り、新嘗祭に奉仕する例を定着させたとされる。

現在に伝わる醸造法はこの時のものと考えられている。

大内義隆も再建したが、陶晴賢の防長大乱、いわゆる大寧寺の変(1551年)により兵火に遭い、伝来の社宝などを焼失した。

天正4年(1576年)、戦国武将杉重良により再建され、続いて毛利家の崇敬も受けて、たびたび修復された。また、毛利家は毎年42石の酒米を献納した。

昭和9年(1934年)、現在の御神酒醸造殿が建立された。戦前は旧暦2月、9月の年2回の醸造だったが、戦後は年1回の10月の醸造となった。

室町古来の製法であるため、その年の気象条件によって御神酒の出来の善し悪しが左右されやすいが、近年では県産業技術センターの協力を受けて質の向上が図られているという。

濁酒醸造は全国でも40社ほどの神社で認められているが、いわゆる清酒の許可を受けているのは、当社の他に、伊勢の神宮(伊勢神宮)・出雲大社莫越山神社があるのみ。

社前のクスノキの巨木は樹齢700年から800年とされ、それに寄生するキセル貝(シーボルトコギセル)は、潮の干満につれて幹を上下するといわれ、海上安全のお守りとして珍重されている。

【ご利益】
水難除け、海上安全、厄災除け
岡崎八幡宮 山口県宇部市船木
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