九鬼水軍ゆかりの地に鎮座する、南北朝期創建の天神、樹叢が天然記念物
[住所]三重県尾鷲市九鬼町455
[電話]0597-23-8223 - 市水産商工食のまち課

九木神社(くきじんじゃ)は、三重県尾鷲市九鬼町にある神社。近代社格では村社。御朱印の有無は不明。

町名、社名からもうかがえるように、九鬼水軍ゆかりの地である。それまでは、比志賀と呼ばれ、伊勢の神宮(伊勢神宮)に献ずる塩を焼いていた御厨があった。

南北朝時代の正平年間(1346年-1370年)、九鬼氏が城を築いてこの地に住まったので、九鬼と呼ぶようになった。ただし、九鬼氏が当地に居城したのは数年の間とされる。

社伝によれば、永和年間(1375年-1378年)、藤原隆治により、九鬼城内の祠に天満天神(菅原道真)を祀ったのを創祀とする。

江戸時代になり、寛文2年(1662年)、九鬼湾を見下ろす小高い現在地に遷座し、この時この地の産土神として祀られていた若宮八幡・国柄明神を合祀した。

現在の御祭神は、菅原道真の他、大巳貴命玉少彦命事代主命素盞嗚尊稲倉魂命大物主命誉田別命・大国主命。

古くから「天神」と称され、近郷の人々の崇敬を集めた。明治6年(1873年)、村社に列し、明治39年(1906年)、神饌幣帛料供進社に指定された。

境内には、竜宮の使者、亀として祀られている陰陽石がある。また、丸石を冠した石塔が複数安置されている。シーザー風のユーモラスな狛犬もある。

九鬼湾入口のやや半島状に突出した小さな岬の上に鎮座する当社の神域は、古木を多く含む森。

ここはヘゴ科のシダ、クサマルハチが本州で最初に発見された場所で、日本での分布の北限にもあたることから、植物分布地理学上、貴重な場所ともされる。

当社の樹叢は亜熱帯・暖帯性の植物が中心で、林内には多数の植物が繁茂している。「九木神社樹叢」として、国の天然記念物に指定されている。

例祭は7月25日。岬祭が4月初旬に行われる。

【ご利益】
水難除け、海上・交通安全、学業・受験合格、病気平癒、大漁満足
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