池の明神・窟大明神、『平家物語』緒環の嫗岳大蛇伝説の地
[住所]大分県竹田市神原1432
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穴森神社(あなもりじんじゃ)は、大分県竹田市神原にある神社。近代社格では村社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 西海道神 豊後国 直入郡「建男霜凝日子神社」に比定される式内社(小社)の論社。

祖母山の山麓に鎮座する。古くは池神社、池の明神・窟大明神、近世に至り、穴森大明神と称された。

『平家物語』巻8(緒環おだまき)や,『源平盛衰記』怙巻第33(附緒方三郎平家を攻むる事)で知られる嫗岳大明神の化身である大蛇の御霊を嫗嶽大明神として祀る社。

嫗嶽大明神は、式内社「健男霜凝日子神社」の神であるため、当社が論社となるが、現存する健男霜凝日子神社では、当社は三社一宮のうちの一つと位置付ける。

嫗岳大明神=健男霜凝日子神は、大分県と宮崎県にまたがる標高1756メートルの祖母山の山頂、健男霜凝日子神社の上宮に鎮座し、天候の守護神として崇敬されている。

また、姥嶽大明神の化身の大蛇が、男に身を変えて夜な夜な姫のところに通い続け、姫を身ごもらせ、そして生まれた子どもが豊後大神氏の祖であり、その5世孫が緒方三郎惟栄とされる。

緒方惟栄は、豊後大野市緒方町の緒方三社の創祀などでも知られる。

『古事記』にも類似、かつ大和大神氏に関すると考えられる伝承が記載される、世界各地にある大蛇伝説の一つ。

往古、この地は冬でも青葉が繁り、満々と水をたたえる一町歩ばかりの池があり、その中には大蛇が棲んでいた。

里人はこれを御神体と崇め、四季の祭祀を行なっていたが、一度でも祭が粗末に行われると、天候急変し、里人を苦しめる禍が起きた。

豊後国岡藩3代藩主中川久清(1615年-1681年)はこれを憂慮し、「住民を困らす神」があるはずはないと奉行に命じ、大暴風雨の中、数日を要して池をさらった。

それにより、今日の態様となり、以降、災いは止まったという。

元禄16年(1703年)10月、境内の洞窟から大蛇の骨が発見され、宝永2年(1705年)、藩命で現在の岩穴に御神体として祀った。

9月23日に行われる祭礼では、白熊と獅子が神輿の供をし、健男霜凝日子神社の遥拝所の神庭で盛大に奉納される。また、5月2日に祖母山祭りがある。

境内社に、生目社と淡島社がある。

【ご利益】
天候の守護神、子宝、子孫繁栄、良縁・縁結び
穴森神社(竹田市) - 池の明神・窟大明神、『平家物語』緒環の嫗岳大蛇伝説の地
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