『日本書紀』記載の国内最古の説が根強い神社、夜須郡の惣社
[住所]福岡県朝倉郡筑前町弥永697-3
[電話]0946-24-5805

大己貴神社(おおなむちじんじゃ)は、福岡県朝倉郡筑前町にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 西海道神 筑前国 夜須郡「於保奈牟智神社」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社

旧三輪町に鎮座し、大神神宮とも呼ばれ、鳥居の扁額には「大神大明神」とある。また、「三輪大明神」とも。近隣では「おんがさま」と親しまれている。

『筑前国続風土記』に「大神大明神は弥永村にあり」とあり、『日本書紀』仲哀天皇条の下記の大三輪社が当社だとされている。
第14代仲哀天皇9年(200年)秋の9月10日、神功皇后が諸国に詔勅して船舶を集め、軍兵を募ったが、軍兵がなかなか集まらずにいた。

神功皇后は「これは絶対に神の御心だろう」と仰せになって、大三輪社を建立して、刀と矛を献上した。すると自然に軍兵が集まった。
国内最古の神社という説も根強いという。九州東遷説か。そうすると、大和国大神神社の元宮ということになるのだろうか。

ちなみに、由緒として、神功皇后の際の創立というのを遡る神社は、全国で多数にのぼる。先の奈良の大神神社は、『古事記』に描かれた、神代の創建。

御祭神は、中殿に大己貴神を祀り、東殿には天照皇大神、西殿に春日大明神として、武甕槌命経津主命天児屋根命・比売神の4柱を祀る。

平安時代の弘仁2年(811年)に嵯峨天皇による勅願で造営、また、600年以上後の室町時代、文明3年(1472年)、御土御門院による勅願で造営されたという。

その間も数度の造り替えがあったが、不詳。戦国時代の天正15年(1587年)から96年間にわたり、仮殿に坐したというから、戦火に遭ったか。

江戸時代になり、寛文12年(1672年)、石鳥居が建立され、翌寛文13年(1673年)には祭礼や神幸が再興した。

社殿は貞享4年(1687年)に改築した。拝殿は元禄5年(1692年)に建立され、翌元禄6年(1693年)、筑前国秋月藩2代藩主黒田長重が社領を寄進した。

神職の松木氏は本姓大神で、先祖より宝永2年(1705年)まで62代相続したという。

『筑前国続風土記附録』には、「弥永及び甘木・隈江・楢原・甘水・ 持丸・菩提寺・千代丸・牛水・馬田・野町・高田・依井・大塚の14ヶ村の産土神で、夜須郡の惣社」とある。

例祭は10月23日。「おくんち」と呼ばれる伝統行事が行われ、秋月藩の大名行列を再現した「おくだり」や、小中学生の舞姫たちが奉納する「浦安の舞」が行われる。

御神体山として大神山があり、境内にはその遥拝所がある。境内社として、祇園社・黒殿社・八幡宮・現人社・水神などがある。

神社の隣には、神話を題材にした遊具をそろえた「歴史の里公園」が整備されている。

【ご利益】
武運長久・勝運、五穀豊穣、病気平癒、開運招福
大己貴神社(筑前町) - 『日本書紀』記載の国内最古の説が根強い神社、夜須郡の惣社
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大己貴神社(筑前町)の御朱印