小野篁を道案内した狐を奉斎、竹駒稲荷と夫婦とも、伊達成実も奉納
尊久老稲荷神社(宮城県亘理郡亘理町長瀞字坂下165)
[住所]宮城県亘理郡亘理町長瀞字坂下165
[電話]022-248-2230

尊久老稲荷神社(そんくろういなりじんじゃ)は、宮城県亘理郡亘理町長瀞にある神社。近代社格では村社。御朱印の有無は不明。

平安時代の承和9年(842年)、陸奥国守の参議小野篁が巡行の際、一人の子供が篁一行を道案内した。

一行が亘理長瀞に着くと、子供は「余の住みかはこの深山なり」といって真っ黒な一匹の黒い狐にその姿を変え、消えて行ったという。

篁はこの狐に恩義を感じ、狐の消えた場所に祠を建てて祭った。これが当社の起源である。

その後全身真っ黒のお稲荷さま「総黒稲荷」を「尊久老稲荷」に呼び変えた。創祀から、例祭は旧暦7月28日とされ、この伝統は今に続く。

主祭神は、宇迦之御魂神埴山姫神大山祇神。現在は、菊理比売神が合祀されている。現在は、4月3日にも例祭がある。

尊久老稲荷の総黒の狐と竹駒稲荷の純白の狐は夫婦であり、当社には竹駒神社まで続く洞穴が社殿の南側の斜面に「きつね穴」として存在している。

正保元年(1645年)、亘理伊達氏当主で、当地領主の伊達成実が神夢を見、「尊久老稲荷大神明」と書写した神旗を奉納したという。伊達成実の死去の前年のことになる。

幕末の戊辰戦争の際、亘理伊達氏はこの社殿の前に集合し、必勝祈願を行ってから出陣したという。明治5年(1872年)11月に村社に列した。

神社の入り口には見事なエドヒガンザクラがあり、付近の農家がこのサクラの開花を目安に稲の種まきを行ったことから、「種まき桜」と呼ばれている。

【ご利益】
五穀豊穣・商売繁盛、武運長久・勝運
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