平安期に出雲を勧請、10月例祭はどぶろくまつり、粕つかみ
國魂神社(福島県いわき市勿来町窪田馬場72)
[住所]福島県いわき市勿来町窪田馬場72
[電話]0246-65-2384

國魂神社(くにたまじんじゃ)は、福島県いわき市勿来町にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

平安時代初期の大同元年(806年)、陸奥国菊田郡の当地で、菊田国造が出雲大社より勧請して奉斎、代々国造自身が祭祀を掌ると伝えられている。

御祭神は大国主命須勢理姫命少彦名命

現在の町名である勿来(なこそ)は、「来るな」という意味で、「勿来の関」、大和朝廷の支配北限だったと考えられている。

平安末期の保元2年(1157年)、時の領主国井政広が鎮国のため常陸国から春日の御神体を勧請、当社に合祀し、氏神として尊崇された。

その後、水戸領主佐竹氏、江戸時代には棚倉藩領主に崇敬され、社領寄進を受けて明治に至る。

境内には鐘楼がある。現在の梵鐘は、市指定有形文化財。戦国時代の大永元年(1521年)、時の領主で、窪田山城主平昌清が領国の安寧を祈り寄進したことに始まる。

江戸時代に入り、貞享4年(1687年)に破損したため、地元の赤津光寛が寄進、さらに時を経て再び破損したため、近在近郷の人々より寄付金を募って寄進された。

参道左手には菊田御霊神社がある。昭和17年(1942年)の当社改修に際して、それまでの拝殿を移した。大東亜戦争までに出征し戦没した英霊1015柱を祀る。

また、大正3年(1914年)に京都北野天満宮から勧請した北野神社がある。昭和21年(1946年)に当社地に遷座した。

西参道には田神社とその先には御神田がある。5月中旬に御田植祭がある。現在の拝殿は昭和17年の建築、本殿は明治11年(1878年)に建てられたもの。

例祭は10月第2日曜日で、神輿渡御もあるが、どぶろくまつりで知られる。

戦国の世に、時の領主が戦に勝ち、人の首級に代えて鮭を神前に捧げ、その肉を濁酒(どぶろく)の粕中に雑え、神前に供えた。

その後に村人らがこれを争い取り、それを肴として、社殿において神酒を飲みともに戦勝を祝うことより始まったという。

現在においても例祭にはどぶろくを醸造し、古来よりの伝統を受け継いでいる。いわゆるどぶろく祭りがある。

現在は、神輿渡御後、午後から粕つかみが行われ、この粕を食した人は、その年は無病息災になると言い伝えられている。

3月第4日曜日には、当社兼務神社で、町内窪田町通にある窪田稲荷神社の例祭で、だるま市がある。

なお、市内には当社に似た社号で、有名な神社である大國魂神社があり、混同されることがあるが、当社とは別の神社。

【ご利益】
交通安全、厄災除け、安産、家内安全など(公式HP
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