5月1日に御本尊開帳で豊凶作占、「梵天ばやい」が有名な船形山遥拝の社
[住所]宮城県黒川郡大和町吉田字升沢108
[電話]022-345-0026

船形山神社(ふながたやまじんじゃ、舩形山神社)は、宮城県黒川郡大和町吉田にある神社。『延喜式神名帳』にある「行神社(陸奥国・黒川郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。御朱印の有無は不明。

創建年代は不詳。『奥羽観跡為老誌』によれば、第18代反正天皇の時代であるとされる。船形山の山麓に位置し、船形山を遥拝する神社として建立されたという。

別名は船形山権現社、升沢権現。御祭神は、保食神。船形山を、恵みをもたらす保食神に見立てたものとされる。十二神将・大黒樣も併せて祀る。

宮城県と山形県の県境にそびえる、奥羽山脈船形火山群の主峰である船形山は、別名御所山、日本二百名山の一つで、標高は1500メートル。

山頂にも「船形山御所神社」という祠があるが、別の神社。

『旧神祠記』にのみ、当社を式内社「行神社」に比定するが、その論拠は不明。黒川郡富谷町に式内社と同名の神社が、式内論社としてある。

江戸時代には、仙台藩より寄進を受けた。大和町宮床にある勅願寺であった真言宗飯峰山信楽寺を別当寺として、仙台藩内の雨乞祈祷所十ヶ所の一つであった。

明治3年(1870年)、現社号に改称した。

御神体として高さ15センチの金銅菩薩立像がある。普段は船形山中の秘密の場所に埋めてあるが、5月1日の例祭の時にのみ掘り出され、薬師堂に遷座、開帳される。

この立像は、北魏時代の様式を残しており、北魏の影響を受けた朝鮮三国時代(6世紀中頃)の製作と推定されている。

どのような経緯、ルートで当社に安置されるに到ったのかは全くの不明。

開帳時の本尊の湿り具合でその年の天候が分かると言われており、豊凶作占する。いわゆる田の神迎えの神事である。

開帳されると社殿に奉納されていた梵天が参拝者の中に投げ入れられ、これを激しく奪い合う。

この神事は「船形山神社の梵天ばやい」として知られ、県無形民俗文化財に指定されている。

【ご利益】
五穀豊穣・商売繁盛、地域振興
船形山神社 - 5月1日に御本尊開帳で豊凶作占、「梵天ばやい」が有名な船形山遥拝の社
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