宗像赤間、8柱の神を祀る、豊臣秀吉が持ち去った600年前の鐘が昭和に里帰り
[住所]福岡県宗像市赤間区吉留3186
[電話]0940-33-4467

八所宮(はっしょぐう)は、福岡県宗像市赤間区吉留にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

初代神武天皇が日向国から大和国に東征する途中、現在の遠賀郡付近を通った折、神々が赤馬に乗って現れ、永く赤間の地の守護神たることを誓ったという。

第20代安康天皇は、宮中の災疫解除のため、勅使を派遣し、松の木を植えた。この松が「安康の松」と呼ばれたが、昭和30年(1955年)に枯死。現在そこに記念碑がある。

安康天皇は『古事記』にも描かれているように、明確に暗殺された天皇の一人で、在位も短く、その事跡が残っているのは珍しい。

第40代天武天皇3年(674年)、神武天皇の神託があり、現在地で祀られた。これが創立とされる。この辺一帯を赤馬(あかま)と呼び、それが転じて赤間となった。

御祭神は、埿土煮尊沙土煮尊大戸之道尊大戸之辺尊面足尊綾惶根尊伊邪那岐命伊邪那美命

いわゆる神世七代の第3代、第5代、第6代、第7代にあたる。8柱を祀るため、現社号が定着した。

遣唐使がここで航海の安全を祈ったり、昔から武将の信仰が厚い神社であったという。

室町時代の応永5年(1398年)、氏子が平和祈願として、青銅製の鐘を奉納。「日本国西海道筑前州宗像郡赤間庄鎮座八所大明神社頭洪鍾也」とある。

しかし、戦国時代の天正5年(1587年)、豊臣秀吉が九州統一の際、この鐘を持ち去り、広島の厳島神社に奉納。

氏子たちは、鐘の返還を切望し、昭和59年(1984年)に、実に400年ぶりに里帰りを果たした。

例祭は10月第3土・日曜日。秋季大祭で、約200年の伝統を持つ。大名行列を模した祭りが行われる。

参道、大鳥居から4段階上、階段99段目の、200メートル参道左側に現人神社(あらひとじんじゃ)がある。御祭神は神直日神大直日神で、当宮の守護神。

平安時代の日本三蹟(名筆)の一人である小野道風の書とされ、鳩文字という書体の扁額がある。普段は社務所で保管しており、申し出れば拝観できる。

当宮の神宮寺であった長法寺の御本尊、十一面観音像・天部像・不動明王・大威徳明王がある。十一面観音像は県指定文化財、他の仏像と堂は市指定文化財。

境内の神域約6.5ヘクタールは昔から手つかずの原生林で、林内には樹齢数百年のイチイ樫や常磐柿などがある。県指定天然記念物。

境内には、宗像市弓道場やキャンプ場がある。4月初旬の桜や、4月下旬から5月上旬のおよそ3000本のツツジと1000平米の藤棚でも知られる。

【ご利益】
交通安全、開運招福、縁結び、安産
八所宮 - 宗像赤間、8柱の神を祀る、豊臣秀吉が持ち去った600年前の鐘が昭和に里帰り
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八所宮の御朱印