鉄道開通により住処をなくし、事故死したキツネを祀る、4月初午に大祭
[住所]神奈川県足柄上郡山北町都夫良野
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線守稲荷神社(せんもりいなりじんじゃ)は、神奈川県足柄上郡山北町の旧線箱根第2号トンネルの上にある神社。線守稲荷大明神とも。御朱印の有無は不明。

都夫良野村の酒匂川沿いに駒の子という集落があり、一匹のキツネが住んでいた。

普段は見晴らしのいい岩の上で村人の事を見ていて、時々化かしたり悪戯をすることもあったが、急な坂で荷車を引いていると一緒に押してくれることもあったという。

しかし、この村にも鉄道が通ることになり、現在の御殿場線、当時の東海道本線の工事によってキツネの住処もなくなってしまった。

鉄道が開通すると、都夫良野村は賑やかになったが、不思議な現象が起こり始めた。線路上に大きな牛が寝そべっていたり、大きな岩が落ちていたりするのである。

停止信号を示す赤く点灯したカンテラが揺れていたこともあった。慌てて列車を止めて機関士や車掌が確認しても、牛や岩やカンテラなどはどこにもなかったという。

ある日、列車が駒の子にあるトンネルを出ると、また線路に牛が寝そべっていた。

汽笛を鳴らして通過しようとしたが、牛は動かず、列車とぶつかってしまった。列車を止めて調べてみると、牛の姿はどこにもなく、一匹のキツネが死んでいた。

村人と鉄道関係者が相談し、このキツネを稲荷大明神として祀り、これからは線路を守ってもらうべく「線守稲荷」と名づけることにした。

明治27年(1894年)、伏見稲荷大社からお札を受け、松田町にある寒田神社の神主を招いて盛大に創建の式を行なってからは、不思議な現象は起こらなくなったという。

以後、毎年4月初午には大祭が行なわれている。JR東海御殿場工務区長が祭主となり、鉄道関係者や地元住民が参加している。

【ご利益】
旅行・交通安全、諸願成就
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