「金沢の羽山ごもり」と「黒沼神社十二神楽」で知られる陸奥式内社
[住所]福島県福島市松川町金沢字宮ノ前45
[電話]024-567-4213

黒沼神社(くろぬまじんじゃ)は、福島県福島市松川町金沢にある神社。金沢黒沼神社とも。参拝すれば、「山の中の総社」などとある御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「黒沼神社(陸奥国・信夫郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

創建年代は不詳。もとは、現在地の南、月峯山の麓にあったといい、山の麓に黒沼があり、沼の黒鬼が災いをなしていた。

その鬼を老翁が諭し、沼中闇玉命と称して、黒沼の神としたという。他に、大蟹退治によって、蟹沢村となり、それが現在も残る金沢に転じたとも。

日本武尊の東征の際、月峯を行在所とし、夷賊を鎮定したとも伝わる。

沼中闇玉命は、沼中倉太珠敷命(ぬなくらふとたましきのみこと)とも称され、第30代敏達天皇のことともされる。

本殿の左手に境内社として、神明宮(伊佐岐命伊佐奈美命)と三社神(大山祇命倉稻魂命・三宝荒神)がある。

右手にも、幾つかの石碑が立っており、奥の木には、足尾神社(阿武隈大蛇)がある。草履が奉納され、足の神として信仰されている。

金沢の羽山ごもり」が国の重要無形民俗文化財に指定されている。旧暦11月、以前までは非公開で7日間、当社に籠ったが、現在は参観可能で、3日間籠る。

また、「黒沼神社十二神楽」が県の重要無形民俗文化財に指定されている。江戸時代初期の元和3年(1618年)、村民5人を江戸に遣わし習得させて、当社祭礼で奉納したのが起源。

もともとは当社例祭の4月3日・4日に奉納されていたが、現在は4月第1土・日曜日。昭和48年(1973年)の伊勢の神宮(伊勢神宮)における第60回式年遷宮では、県を代表して奉納された。

式内社「黒沼神社」の論社は他に、御山堂殿の信夫山南麓と、松川町浅川にそれぞれ同名の神社がある。

【ご利益】
五穀豊穣、地域・家内安全、地域振興
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