山川郷成川村の惣鎮守「諏訪大明神」、10月例祭に古式の成川神舞
[住所]鹿児島県指宿市山川成川525
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南方神社(みなみかたじんじゃ)は、鹿児島県指宿市山川成川にある神社。諏訪神社の一つで、近代社格では村社。成川南方神社とも呼ばれる。御朱印の有無は不明。

古くは「諏訪大明神」と呼ばれ、山川郷成川村の惣鎮守。その創建については不詳。

一説に、中世指宿地方を支配した伴姓頴娃氏の創建と伝えられるが、具体的な時期は不明。

山川成川は、成川遺跡の存在から明らかなように、古くから人々が生活していた。そこに何らかの祭祀があり、ある時期、現在の主祭神が勧請されたと考えられる。

主祭神は健御名方命と八坂刀売命。

当社の神は女神だという説がある。八坂刀賈命・木之花咲夜姫命を奉斎しているが、より原初の神をイメージした目撃談からなっているという。

明治時代に神社の統廃合があり、小川鎮守神社、浜児ヶ水鎮守神社などを合祀。現在は、應神天皇瓊々杵尊・木之花咲夜姫命・興玉命事勝国勝長狭命を併祀する。

一の鳥居をくぐった境内が「下ン馬場」、二の鳥居をくぐった境内が「中ン馬場」、そして階段を上がった「上ン馬場」に区分される。

朱塗りの社殿は近年の建築で、本殿は南面した流造。本殿と拝殿の殿の朱塗りは新しく塗ったもので、昭和50年代までは白木の社殿だった。

例祭は10月28日。10月後半の土・日曜日にグレと呼ばれる宮入れが行われ、集落内を回り、御輿を家の中に入れて神事と四つの神舞をする。

この神舞は成川神舞と呼ばれ、慶安年間(1648年-1652年)から万治年間(1658年-1661年)には成立していたとされる長い歴史のある神楽。

3年に一度、2日間のグレを行い、最終日の夕刻から成川保育園の庭で神々を勧請して神舞を奉納する。

現在は中断されているが、ハマクダイ(浜下り)でも海岸まで御輿を移動し、そこで神事を行った後神社に帰り、夕刻から夜通し境内で神舞が奉納されたという。

他に、鉾舞、沖得(オキエ)祭りなどがあったが、断絶している。

なお、鹿児島県には諏訪大社系の神社が多数存在するが、ほとんどが南方神社(みなみかたじんじゃ)と名乗っているのは他地方に見られない特徴である。

一例に、枕崎市薩摩川内市湧水町阿久根市、鹿児島市(清水町・岡之原町・上福元町など)などに同名の神社がある。

【ご利益】
五穀豊穣、交通・旅行安全、子授け・安産、厄災除け(公式HP
南方神社(指宿市) - 山川郷成川村の惣鎮守「諏訪大明神」、10月例祭に古式の成川神舞
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