土佐一条教房が創建、10月には京風習俗に矯正する「神様の結婚式」神事
[住所]高知県四万十市不破1392
[電話]0880-35-2839

不破八幡宮(ふばはちまんぐう)は、高知県四万十市にある神社。近代社格では県社。別称として正八幡、広幡八幡宮。参拝すれば、御朱印を頂ける。

旧中村市街地の南方、四万十川に臨む小丘陵に位置する。土佐一条氏の祖・一条教房は応仁の乱(1467年-1477年)を避け、一条家の荘園があったこの地・幡多荘に逃れた。

教房は幡多郡総鎮守として山城国の石清水八幡宮を勧請し、室町時代中期の文明年間(1469年-1487年)に八幡宮を建立したのが当社の創建となる。

御祭神は、品陀和気命玉依姫命息長足姫命。以後、当社は土佐一条氏の守護神として崇敬を受けた。

戦国時代の永禄2年(1559年)に建立された本殿が現存する。蛙股などに室町時代後期の様式が見られ、棟札9枚とあわせて、国の重要文化財に指定されている。

土佐一条氏が滅亡しても、江戸時代には土佐藩主山内家からも信仰された。明治時代になって県社に列格した。

例祭は10月中旬、現在は体育の日の前日の日曜日に本祭が行われ、その前日が宵宮。旧暦7月14日前後の日曜日に御輿洗いが行われ、準備が進められる。

「神様の結婚式」とも呼ばれるこの祭典は、当時盛んであった「嫁かつぎ」と呼ばれる略奪婚の風習を、五摂関家の流れを汲む一条氏が京風に矯正する目的で始まったもの。

当宮を男神、市内の一宮神社を女神として祭典神事の中で結婚式を執り行う。一宮神社には椎名御前(しいなごぜん)・徳益御前(とくますごぜん)・鉾名御前(ほこなごぜん)」の3柱の女神があり、毎年くじ引きによって新婦を決定する。

他に大きな祭礼としては、旧暦3月15日に行われる春季山川海祭典、旧暦10月15日に行われる秋季山川海祭典がある。

なお、土佐一条氏の祖先神や一族、一条教房らを祀る神社として、市内に一條神社がある。

【ご利益】
地域振興、家内安全、縁結び・子宝
不破八幡宮 - 土佐一条教房が創建、10月には京風習俗に矯正する「神様の結婚式」神事
【関連記事】
高知県の旧県社 | 府県社とは? - 旧県社(縣社)・旧府社、その都道府県の中で有力な神社
高知県の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、高知県に鎮座している神社の一覧
不破八幡宮の御朱印