謙信の侵攻で焼失した美麻奈比咩神社を合祀した式内二社、穴水白山宮
美麻奈比古神社(石川県鳳珠郡穴水町川島ホ23-1-2)
[住所]石川県鳳珠郡穴水町川島ホ23-1-2
[電話]0768-52-0244

美麻奈比古神社(みまなひこじんじゃ)は、石川県鳳珠郡穴水町にある神社。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「美麻奈比古神社(能登国・鳳至郡)」と「美麻奈比咩神社(能登国・鳳至郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。境内に大砲が安置されている。

穴水町の総鎮守として穴水低地の鬼門にあたる字川島通称白山に鎮座する。穴水をミマナと訓じ、穴水白山宮・能登国津神宮とも称した。創建年代は不詳。もとは、美麻奈比古神だけを祀った。

平安時代の天治・永治年間(1124年-1141年)の頃には崇徳天皇の勅願所として勅使が下向したと伝え、その折に遣わされた梅樹が崇徳梅として現存している。

平安期の須恵器が境内には多く見つかり、相当の古社であることは間違いない。室町時代の応永4年(1427年)に長谷部忠信が大般若経を奉納している。

社僧も多く北八坊、南八坊の十六坊(惣号川島寺)が存在したが、天正5年(1577年)、上杉謙信の侵攻により離散した。

その際、二十九日地区にあった美麻奈比咩神社が焼失し、当社に合祀された。また、別にあった白山神社(菊理媛神)も相殿に祀った。現在、白山神社と呼ばれることも多い。

近世では、穴水郷36ヶ村の総社として崇敬され、総持寺からも明和8年(1771年)に朱漆塗瓶子一対が奉納されている。

大正年間(1912年-1926年)、稲荷神社・幸神塚神社を合祀し、現在は宇迦之御魂神建御名方命猿田彦命も祀られ、御祭神は6柱となった。

4月18日の春祭りは「お頭祭り」とも呼ばれ、古くは36ヶ村より頭人が選出され、厳重な潔斎のうえ、種々の神事が執行された。

元禄7年(1694年)以降のお頭帳が現存し、当(頭)屋祭研究の重要史料となっている。 昭和40年代まで存続したが、今は中断している。

しかし祭礼そのものは、乙ケ崎海岸の火宮神社で神迎えをし、乙ケ崎区の獅子舞が先導する古い形を現在も継承している。

9月15日が秋祭りで、キリコと三車15台ほどが入り乱れて秋の夜に競演する。新たに氏子入りした花嫁が参拝する「ゲンゾ」参りでも知られている。

なお、式内社「美麻奈比古神社」の論社は他に、輪島市深見町の櫟原北代比古神社がある。式内社「美麻奈比咩神社」の論社は他に、鳳珠郡穴水町の奈古司神社がある。

【ご利益】
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