柞原八幡宮の善神王宮、9月に賀来の市、6年に1度は本格的な大名行列
[住所]大分県大分市賀来58
[電話]097-537-5626

賀来神社(かくじんじゃ)は、大分県大分市にある神社。近代社格では県社。賀来の市や、6年に一度の卯酉年に行われる大名行列で知られる。御朱印の有無は不明。

平安時代の承和2年(852年)、豊後国大分郡府内の柞原八幡宮の摂社として、善神王宮が創建された。

善神王は国東半島などで信仰される神で、武内宿禰に比定される場合があるが、ここでは阿蘇神社の御祭神である建磐龍命も含まれる。

貞観11年(869年)、豊後国司がこの善神王宮を賀来村に移し、以来現社号を称するようになったという。

建磐龍命は当社に常時鎮座するが、武内宿禰は普段は柞原八幡宮に鎮座して主君格の八幡神(応神天皇)に奉仕し、当社秋季大祭の11日間だけ当社に帰還するとされた。

江戸時代の安永8年(1779年)8月、豊後府内藩主大給松平家は江戸藩邸に当社御分霊を勧請、江戸賀来神社と呼ばれた。「善神王宮」と記された江戸時代の地図もある。

明治維新後、勝海舟が大給邸に挨拶に来た際、参拝した。「海舟勝安房」の署名入り神社名が伝わる。この江戸賀来神社は、明治38年(1905年)、神奈川県藤沢市の鵠沼に遷宮し、現在も残る。

もと旧暦8月1日からだったが、現在は毎年9月1日から7日まで、賀来の市が開かれ、太鼓やカラオケなどが催され、境内は多くの出店で賑わう。

文政5年(1822年)の記録によると、賀来の市には府内から九州、四国各県、遠く京都や江戸から飲食物、玩具、日用雑貨をはじめ浄瑠璃興行、のぞき、辻軽業などの見世物も出て、豊後の二大市として賑わったという。

また、柞原八幡宮の浜の市、大将軍神社の大将軍市とともに大分郡市の三大市として有名だった。

6年に一度、卯年と酉年には、9月1日から11日まで開催され、期間中は150人-200人ともいわれる大名行列が行われる。

この行列神事で、柞原八幡宮に調度品を奉納した大神宝調達という神事に由来し、 後に御祭神の武内宿禰(善神王)が柞原八幡宮から自社に還幸する神事へと変化したもの。

明治維新後、府内藩主大給家が大名道具を寄進してから大名行列の様式を取り入れ、俗に「賀来の大名行列」と呼ばれるようにななった。

拝殿脇の灯籠は火袋に2匹のネズミが遊び、返花に居る猫がそれをじっと見ている、という非常に珍しい造り。他にこの社には計4対の狛犬がいる。

なお当社名にもなっており、当地域は賀来氏の発祥地であり、現在では女優の賀来千香子のルーツの地としても有名になっている。

【ご利益】
地域・家内安全、五穀豊穣・商売繁盛
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