日本の古典はエロが9割 ちんまん日本文学史
・刊行:2016/5/26
・著者:大塚ひかり
・出版:日本文芸社

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堅いイメージで敷居の高い古典文学。だが、実際は、「本当はエロい」話の宝庫!

本書は、性愛にまつわる内容に焦点を当てながら、古典文学の魅力に「裏口」から迫る文学入門。

『古事記』『源氏物語』、近松に西鶴、さらには近世の奇談集などあまり知られていないものまで、ありとあらゆる性模様が展開される!

エロ、グロ、BL、なんでもありの底抜けエロス、フルスロットルの全54篇。

【本書「はじめに」より】

古典文学の神髄は、性愛にある。

まぐわいで国と神々を作った『古事記』『日本書紀』のイザナキ・イザナミ夫婦は言うに及ばず、『源氏物語』は全編不倫文学と言えるし、『今昔物語集』などの説話集のほとんどは性愛絡みです。

日本の古典の九割はエロ話と言っても過言ではありません。

といっても神話にはエロがつきもので、エジプト神話や、西洋でもキリスト教が生まれる前のギリシア神話などはエロ話に満ちているものの、日本の場合、前近代を通じてほぼ一貫して性愛を真正面から扱っている。

しかもそれが『日本書紀』などの国の「正史」に堂々と描かれているところに独自性があります。

そこで描かれる性愛絡みの親子関係、同性愛や愛執といったテーマは、漫画やアニメのそれとも重なり、クールジャパンのルーツは日本の古典文学にあると言えるでしょう。

本書では、そんな性愛に満ちた日本の古典文学の中から、ぜひ知っておきたい「ちんまん」話の数々を、『古事記』『源氏物語』をはじめ、愛とホラーに満ちた江戸初期の怪談話、井原西鶴の好色物、小林一茶の日記や『東海道四谷怪談』に至るまで、数は源氏五十四帖にちなんで、五十四篇ご紹介します。

日本の古典文学の、時に可笑しく、時に切なくも恐ろしい、底なしに豊かな性愛の世界をお楽しみいただければ幸いです。