10月に御幸行列、県内唯一の一人傘矛と「まんさくじゃー」踊り
[住所]熊本県上天草市大矢野町上
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上八幡宮(かみはちまんぐう)は、熊本県上天草市にある神社。御祭神は応神天皇神功皇后・比売神。御朱印の有無は不明。

江戸時代前期の寛文年間(1661年-1672年)、初代神職二神宮秀が宇佐神宮を勧請、その御分霊を奉祀したのが創建となる。

宝暦元年(1751年)に神輿式を始め、翌宝暦2年(1752年)には神殿が再興された。その後、文政10年(1827年)に新築され、現在の社殿は昭和元年(1926年)の建築となる。

石鳥居は天保9年(1838年)9月に、楼門は平成9年(1997年)10月に、それぞれ崇敬者の寄贈により建立された。

例祭は10月14日・15日。現在は10月第2日曜日とその前日に行われる。いわゆる秋祭りで、呼び物は、化粧を施した奴が勇壮に舞い歩く御幸行列。

前日には、本殿から江樋戸区にかけて神輿のお下りが行われる。これは各区から奉納された17基の傘鉾(傘矛)を先頭に、「征夷討行征」(せいとごせい)の勇壮な掛け声の大名行列(ヤッコ踊り)・神輿・獅子舞い・豊年万作踊りなどからなる総勢200人以上の行列。

この1人で持つ「一人傘矛」は、県内でこのスタイルが残っているのは、当宮のみ。長崎県長崎市の諏訪神社で行われる「長崎くんち」が同じ様式なので、海を渡って伝播したという説もある。

その夜は仮宮で一泊するが、氏子たちにより、五穀豊穣・大漁を祈願するとともに、神恩に感謝して各種演芸が奉納され、多くの見物人で賑わう。

翌日は仮宮から神輿、お上りがあり、当宮本殿に着神する。特に参道から本殿の間は、町内外から大勢の参拝や見物の人々が詰めかける。

豊年万作踊りも特徴的。「万作じゃ~、また万作じゃ~」のかけ声高らかに、顔にユニークな化粧で祭りを盛り上げる子供たち。「まんさくじゃー」、転じて「万作者」とも。

その化粧は、お下りでは眉を下げて、お上りでは上げて描く。化粧の意義は伝わらないが、風習は根強く受け継がれている。

【ご利益】
五穀豊穣・大漁満足・商売繁盛、厄災除け、身体壮健
上八幡宮(上天草市) - 10月に御幸行列、県内唯一の一人傘矛と「まんさくじゃー」踊り
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