小野篁の子で、小野小町の父である小野良実ゆかりの地に平成の世に創建
[住所]熊本県熊本市北区植木町岩野1375
[電話]096-272-2773

祈願合格神社(きがんごうかくじんじゃ)は、熊本県熊本市北区にある神社。御祭神である小野良実公。御朱印の有無は不明。

良実は良真・良貞とも呼ばれることがあり、父は小野篁。良実の娘が小野小町だという。植木町には小野小町生誕伝承が残る。

「小野」という地名も残るこの地には、小野小町が産湯を使ったと言い伝えられている小野泉水がある。ホタルの生息地「くまもとホタルの里100選」。

史実上、良実の資料は極めて少なく、系図集『尊卑分脈』に出羽郡司小野良真とあるのみとされる。山形県東田川郡庄内町には、良真の墓が伝わる。

良実の父である篁は、仁明天皇の承和3年(836年)、遣唐福使に抜擢され、第17代遣唐使として遣唐大使藤原常嗣とともに4隻約600人の編成で出発したが失敗。

船は破損し、特に大使の乗る第一船の破損がひどかったという。再出発の際、大使藤原常嗣は「副使の第二船と交換せよ」と言い出し、篁はそれに憤慨し乗船を拒否した。

その上、「西道謡」という詩を作って遣唐使のことを風刺し、非難した。これが時の嵯峨天皇の怒りにふれ、隠岐国(島根県)に流刑された。

同時に良実も同刑をきせられ、肥後国へ流刑とされた。ニ上の横山に手を合わせ、国の繁栄を願い、真に理想的な正しい世の中になるようにと祈願したと伝わる。

良実は、大木の枝を五角に削り杖を作り、願いを杖に刻み入れ、来る日も来る日も山道を登り、二上の横山に向かって「無双の誓願」を捧げた。

その結果見事に祈願成就し、流刑前以上の地位についたといわれる。

無双の誓願は、目標を定め、自分の力の限り努力し、祈ること。そうすれば必ずやニ上の横山のパワーと小野良実の力で願いが叶う、とされる。

良実が祈願したのは当地近くにあった七国神社だと伝わる。当社は、この伝承をもとに平成17年(2005年)に地元有志により建立された。

境内には、良実が日々狭い山道登り祈願したことをイメージして作られた「狭き門」という鳥居がある。宇土市新開町の粟嶋神社にあるミニ鳥居に似ている。

また、ありとあらゆることに一歩一歩「すべらず」突破していくため、踏ん張って登り切るための「すべらずの坂」がある。

小野小町を祀り、その美貌を伝説にうたわれ、恋の歌を数多く残した小町の「美と恋」を象徴する御神石・小野鏡石や、小野篁岩がある。

熊本の受験合格祈願の一大スポットとして人気を集めている。

【ご利益】
学業・受験合格
祈願合格神社 - 小野篁の子で、小野小町の父である小野良実ゆかりの地に平成の世に創建
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