阿蘇神社の3柱を阿蘇山山頂火口3カ所に奉斎、毎年6月に火口鎮め神事
[住所]熊本県阿蘇市黒川808-3
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阿蘇山上神社(あそさんじょうじんじゃ)は、熊本県阿蘇市黒川にある神社。阿蘇神社の奥宮。参拝すれば、阿蘇神社にて御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 西海道神 肥後国 阿蘇郡「健磐龍命神社」(名神大社)、「阿蘇比咩神社」(小社)に比定される式内社の論社。

阿蘇山山頂付近の阿蘇山ロープウェー駅のすぐ北東にあり、阿蘇山の噴火口を遥拝するように鎮座する。

阿蘇神社の一宮(健磐龍命)・二宮(阿蘇都比咩命)・五宮(彦御子命)の3柱の神の荒魂を、阿蘇噴火口に祀ったもの。

北の御池(噴火口)が一宮で、中の御池(噴火口)が二宮、南の御池(噴火口)が五宮となる。

社記によれば、飛鳥時代の第29代欽明天皇14年3月(552年)、 阿蘇山が噴火したため、阿蘇神社の3柱を社家の内笠忠基に奉仕させ、奉斎した。天宮祝ともいう。

古来朝廷の尊崇は篤く、国家有事の際には特使を派遣して奉幣・祈願が行われた。平安初期より、神霊池 (噴火口)に異変あるたびに九州鎮守府太宰府より、祈祷を厳修した記録がある。

現在の社殿は昭和33年(1958年)の大噴火により被害を受け、同年再建されたもの。阿蘇噴火口(神霊池)を中心として八丁四面として古来穢れを忌み、登山者は心身を清浄にして登拝するを例とした。

毎年6月に阿蘇山の平穏と国家安泰を祈願する阿蘇神社の火口鎮め神事が斎行されることでも知られる。

神社の裏手は阿蘇山火口への徒歩道となっており、「左京ヶ橋」がある。昔左京という武士がこの橋を渡ろうとしたところ、一匹の小蛇に遭遇。

切り捨てようと刀を抜くと小蛇は龍となり昇天した。これに驚いた左京は、これがもとで、早死してしまったという。

以来、この橋は「左京ヶ橋」と呼ばれるようになり、心悪しき人には、前面の岩が大蛇に見え、渡ることができないという。未婚の男女は、この橋を渡って、身の潔さを証明したと伝える。

式内社「健磐龍命神社」は通常、阿蘇神社に比定されるが、阿蘇山の特殊性から考えれば、阿蘇神社と当社は一体のものと考えられていた可能性が高く、当時において当社がそのコアだった可能性はある。

【ご利益】
火山鎮護、火防、登山・交通安全、平穏安寧
阿蘇山上神社 - 阿蘇神社の3柱を阿蘇山山頂火口3カ所に奉斎、毎年6月に火口鎮め神事
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阿蘇山上神社の御朱印