水戸神を祀る風土記「賣布社」、祓え清め、生命力よみがえりの社
[住所]島根県松江市和多見町81
[電話]0852-21-4972

売布神社(めふじんじゃ)は、島根県松江市和多見町にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「賣布神社(出雲国・意宇郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社。出雲國神仏霊場第6番。

松江市の市街地にあり、当社の北方を大橋川が流れ、松江新大橋が北岸と結ぶ。白潟大明神・橋姫大明神と称した時期もある。

遠く神代において摂社の御祭神である櫛八玉神(くしやたまのかみ)が、潮の流れの中にあるとされる速秋津比売神(はやあきつひめのかみ)を生命の祖神として奉斎したのに始まる。

櫛八玉神は、『古事記』において、国譲り後のオオクニヌシの隠居場所、つまり現在の出雲大社において、タケミカヅチに指名された料理長。

水戸神である速秋津比売神の子に当たる。当社が水戸ノ神・祓戸ノ神と称す所以。後に樹種の神とされる相殿の三神、五十猛命・大屋津姫命・抓津姫命が合わせ祀られた。

当社ではこのことを、海の潮の働きと地上の樹木の働きがあいまって海河山野の幸がもたらされ、人々も生かされていることが示されていると解釈する。

『出雲国風土記』にも「賣布社」(めふのやしろ)とみえる。社号の「めふ」は海藻や草木の豊かに生い茂る所を指すとされ、もとは意宇の入海(宍道湖)西岸に鎮座していたという。

潮流や地形変動に伴い東へ遷座を重ね、天正年間(1573年-1593年)に現在地で祀られるようになった。

例祭は10月10日で、御饗祭・鱸祭とも。前日には焼火神事が斎行される。1月8日には潮会祭が、7月12日には船御幸神事がある。

境内社に、和田津見神社・金刀羅神社・船霊神社・恵美須神社・道祖神社・白潟地主荒神・常光神社・大松荒神がある。

なお、式内社としては、摂津国 河辺郡にも賣布神社、但馬国 気多郡にも賣布神社が、丹後国 竹野郡にも賣布神社があり、丹後国には熊野郡にも同名神社があって、賣布神社布杜神社が論社。

【ご利益】
祓え清め、生命力のよみがえり
売布神社(松江市) - 水戸神を祀る風土記「賣布社」、祓え清め、生命力よみがえりの社
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売布神社(松江市)の御朱印