「福島の明神さん」春日神の神使である鹿の伝承と、船だんじり
[住所]徳島県徳島市福島2-3-34
[電話]088-622-3810

四所神社(ししょじんじゃ)は、徳島県徳島市福島にある神社。徳島市中五社の一つで、近代社格では郷社。「福島の明神さん」として親しまれている。参拝すれば、御朱印を頂ける。

御祭神は武甕槌神天児屋根神、比売神、斉主神。奈良の春日大社と同じ御祭神で、春日神社とも呼べる。春日神の神使である鹿に関わる伝承が残る。
大同2年(807年)、徳島市津田町の沖合に亀島と呼ばれる島が存在し、島内にある祠には二頭のシカが飾られていた。

ここに毎日お参りに訪れていた老夫婦の夢に神様が現れ、「シカの目が赤くなったら島が沈むので、シカを連れて逃げなさい」と言った。

この話を聞いた若者がいたずらでシカの目を赤く塗ったため、老夫婦は急いでシカを船に乗せて逃げた。

しかしその晩、本当に大津波が島を襲い島は沈んでしまった。その後、老夫婦は自分たちを救ってくれたのはシカのおかげだと思い、シカを祀ったのが当社の起源だという。
旧阿波藩主崇敬社であり、『寛保改神社帳』に「福島四所大明神 神主福島榊本頼母」とある。『阿波名勝案内』にも記載がある。明治3年(1870年)に郷社に列した。

三好市(旧 三好郡西祖谷山村)の国見山山頂にある国見神社は奥社であるという説がある。また神社前にはこの地で育った小説家・海野十三文学碑が建てられている。海部ハナゆかりの神社としても知られる。

例祭は7月8日・7月9日が夏祭で、10月27日・10月28日が秋祭。秋祭には船だんじりがある。徳島藩の船団を模したと言われるもので、地元の船大工達によって造られた。「とくしま市民遺産」。

境内社に、天神社・醫王神社がある。境内の大松が御神木で、樹齢350年以上といわれている。市指定木第一号で、フクロウの木と呼ばれ、昭和48年(1973年)頃までは常に巣を作っていたという。

神馬堂に置かれている石は、蜂須賀公が当社西の練兵場で訓練を指揮していた時、座ったら真っ二つに割れたと伝わるもので、当社に奉納され、藩兵の活躍を祈願したという。

【ご利益】
厄災除け、諸願成就、水難除け、造船業
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四所神社(徳島市)の御朱印