元寇の役の際に河野通有が伊予から勧請、境内に火除稲荷や雷井戸
[住所]東京都台東区下谷3-7-5
[電話]03-3873-0172

三島神社(みしまじんじゃ)は、東京都台東区下谷にある神社。近代社格では村社。『江戸名所図会』にも記載され、「下谷の三島様」と呼ばれ親しまれる。参拝すれば、御朱印を頂ける。

御祭神は日本総鎮守とされる大山積命。身島姫命(木花開耶姫命)、和足彦命(石長姫命)、上津姫命(雷神)、下津姫命(龍神)を配祀する。

鎌倉時代後期の弘安4年(1281年)、元寇の役の際、河野通有が氏神である伊予大山祇神社(三島大明神)に戦勝祈願して出陣、大山祇神社の神使である白鷺の導きによて勝利を得た。

その帰陣にあたり、夢の中で受けたという神のお告げにより、武蔵国豊島郡に三島大明神の御分霊を迎え、上野山内の河野氏の館に遷座鎮祭したことが当社の始まり。当社宮司は代々河野通有の子孫が奉仕している。

慶安3年(1650年)、3代将軍徳川家光に社地移転を命ぜられ、金杉村(現 台東区根岸)に遷座。さらに宝永7年(1710年)、社地が幕府の御用地に指定されたため、浅草小揚町(現 台東区寿)に遷座した。現在の寿三島神社である。

しかし、氏神様が遠くて困るという氏子一同の念願から、御分霊を金杉村字金杉町(現 台東区下谷)に勧請した。これが現在の当社である。同じ理由で、元三島神社も勧請されている。

そのため、ここまでの由緒は三社が共有しており、今でも区内に当社を含む三つの三島神社がある。

例祭は6月14日・15日。現在はそれに近い土・日曜日に斎行される。例大祭で、正式には大祭式例祭。神職の「オーオー」という警蹕二声の掛け声により、普段閉まっている本殿の扉が開かれる。

特例として、氏子による献幣使神事がある。氏子の代表者が白い装束に身を包み、幣帛を唐櫃に入れ、行列を作って町を練り歩く。連合渡御では、神社の前の金杉通りに町会の神輿がすべて集まり、一斉に担ぎあげる。

境内には現社地の地主神である火除稲荷社(御祭神:保食命)がある。昔、徳川氏が上野山内の火難方位除けのために勧請したと伝えられ、古くは「みさき」稲荷社とも。

境内には雷井戸がある。武蔵野の原野は雷が多く、里人はいつも恐れていたが、ある日、当社境内に雷が落ちた時、神主が雷を井戸の中に封じ込めた。

雷は神主に井戸から出してくれ、と頼み、神主は二度とこの地には落ちないことを約束させ、雷を放した、と伝わる。雷除けはもちろん、現在では受験・試験や業績など「落ちない」神として信仰されている。

【ご利益】
金運、商売繁盛、防災、健康長寿、安産(公式HP
三島神社(台東区) - 元寇の役の際に河野通有が伊予から勧請、境内に火除稲荷や雷井戸
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