江戸期には恵比須神を祀り秘された豊公信仰、今も1月に十日戎
[住所]滋賀県長浜市南呉服町2-4
[電話]0749-62-4837

豊国神社(ほうこくじんじゃ)は、滋賀県長浜市南呉服町にある神社。近代社格では県社。参拝すれば、御祭神にちなんだ「豊公」などとある御朱印を頂ける。

「豊国大明神」こと豊臣秀吉のほか、事代主大神、加藤清正、木村重成を御祭神とする。豊国神社の一つで、近江長浜六瓢箪めぐりの第一番札所。

豊臣秀吉は天正元年(1573年)から天正4年(1576年)にかけて長浜城主であったが、当社は長浜町民が、秀吉の3回忌に当たる慶長5年(1600年)、その遺徳を偲んで建立された。

江戸時代に入ると、幕府の命により秀吉信仰が禁じられ、社殿も取り壊されたが、町民によって御祭神は町年寄の家へ移され、その後、恵比須神を祀る神社の奥社で密かに祀っていた。

現在も当社で事代主大神が一緒に祀られているのはこのためで、後述するように、その伝統は今でも1月の十日戎、ゑべっさんで親しまれる祭典につながっている。

明治維新後には現社号が復活し、秀吉の三百回忌に当たる明治31年(1898年)に拝殿が再建された。明治14年(1881年)に村社、大正9年(1920年)に郷社、大正11年(1922年)に県社に列した。

本殿は神明造、江戸時代中期築。向拝は檜皮葺、唐破風。拝殿は千鳥破風。境内には、 徳力富吉郎筆となる拝殿天井画がある出世稲荷神社、吉兆苑、天満宮がある。

10月には武者行列が出る「豊公まつり」がある。1月は十日戎で、福娘や市長が市内を巡行、近くに鎮座し、秀吉が保護に力を入れたことでも知られる長浜八幡宮にも参拝し、境内は商売繁盛や出世を願う人で賑う。

豊国神社は全国各地にあり、本社は京都市東山区に、秀吉生誕地の名古屋市大坂城のおひざ元として大阪市中央区に、前田利家の意志として祀られたものが石川県金沢市に、阿波蜂須賀家が江戸期に創建したものが徳島県小松島市に、博多の貿易商神屋宗湛の屋敷跡に祀られたものが福岡県福岡市博多区にある。

【ご利益】
商売繁盛、出世開運
豊国神社(長浜市) - 江戸期には恵比須神を祀り秘された豊公信仰、今も1月に十日戎
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豊国神社(長浜市)の御朱印