ニギハヤヒが岩の船で来訪し奇跡を起こした地、岩船大祭が綿々と
[住所]新潟県村上市岩船三日市9-20
[電話]0254-56-7010

石船神社(いわふねじんじゃ)は、新潟県村上市にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「石船神社(越後国・磐船郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社

主祭神は饒速日命。物部氏の祖神で、天の磐樟舟(あめのいはくすふね)に乗ってこの地に上陸、航海・漁業・製塩・農耕・養蚕の技術を伝えたという。

大化4年(648年)に磐舟柵が置かれた時、すでに石の小祠があったと伝えられる。饒速日命が祀られていた可能性がある。磐舟柵の場所は不詳だが、当社地はその候補地の一つ。

大同2年(807年)、北陸道観察使秋篠朝臣安人が京都の貴船明神(現 貴船神社)を勧請して、水波女命(罔象女命)、高靇神闇靇神を奉祀する。今でも当社が明神と呼ばれる所以。

鎌倉時代以降は平林城主、色部氏、江戸時代以降は歴代の村上藩主に崇敬された。正徳4年(1714年)、宣旨により正一位の神階が授けられた。明治5年(1872年)には県内で2番目に県社に列格した。

例祭日は10月18・19・20日で、岩船まつり、あるいは岩船大祭とも。今日のように神輿と御舟をはじめとする屋台で賑わうようになったのは江戸中期からとされる。県無形民俗文化財に指定されている。

社叢はヤブツバキの群生地として、県の天然記念物に指定されている。境内社に金比羅神社など数社があり、芭蕉句碑2基、磐舟柵跡碑などがる。

当社には、饒速日命と思われる神が石の船、つまり磐舟(岩船)に乗って当地に来訪し、その後さまざまな奇跡を起こしたという伝承が残る

。当然、この船の様子が当社号や当地の地名の由来となっている。

その旅人は藤のつるをつかんで浜の村に上がり、ある家に一夜の宿を頼むが鮭の酢漬作りに忙しい家人はこれを拒否、別の家に頼むと、その家の妻は身ごもっていたが、旅人を歓待した。

翌日、その旅人は、冬には珍しく晴れ渡った日に、漁民がこぞって漁に出ていくのを制して、「今日は不漁だ」と予言、旅人の言葉を信じなかった漁民は出漁したものの骨折り損となった。

また別の日、海が大荒れで、漁民が漁を止めようとした時、「今日こそ大漁だ」と言い、半信半疑で出漁したところ、沖は荒れておらず、本当に大漁になったという。

こうして漁民たちは毎日の漁の様子について、この旅人に意見を求めるようになり、それが百発百中。漁に限らず、製塩・農耕・養蚕についても教えを請い、遠方からも人が訪ねるようになった。

旅人がこの地を去ることになった時、村民はみな慰留したが願いかなわず、旅人は、今後もし漁不漁を聞きたかったならば、山上の観音を拝すべしとアドバイスした。

旅人が去った後、村民がそのようにすると、漁不漁が分かるようになり、旅人を改めて神と認識して、山上に社殿を建立してこれを祀ったという。

こうして、この地の神はお産を嫌うことなく、むしろ祝福し、村人は藤のつるを大事にするようになり、石川を遡上する鮭を捕らず、酢漬も作らないようになったという。

【ご利益】
大漁満足、産業振興、家内安全、安産守護
石船神社(村上市) - ニギハヤヒが岩の船で来訪し奇跡を起こした地、岩船大祭が綿々と
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石船神社(村上市)の御朱印