安倍晴明の母「葛の葉」ゆかりの社、樹齢2000年の「夫婦楠」など
[住所]大阪府和泉市葛の葉町1-11-47
[電話]0725-45-7306

信太森葛葉稲荷神社(しのだのもりくずのはいなりじんじゃ)は、大阪府和泉市葛の葉町にある神社。近代社格では村社。参拝すれば、「信太森神社」などとある御朱印を頂ける。

葛葉稲荷などとも。安倍晴明の母で白狐の葛の葉ゆかりで、『葛の葉物語』の舞台としても知られる。

御祭神は、保食神宇迦御魂神大己貴命大宮姫命素盞男命猿田彦命・若宮葛ノ葉姫。

奈良時代の和銅元年(708年)旧二月初午の日に元明天皇が楠の御神木の化身である白龍に対して祭事を行ったことを縁起としており、当社はその御神木を御神体として建立された。

平安時代の中頃、冤罪で罷免された安倍保名(あべのやすな)が家名復興を祈願した帰り、猟師に追われた白狐をかくまった。

そのため負傷したことが縁で白狐の化身である葛の葉(くずのは)と結ばれ、童子丸を授かる。

葛の葉は後に童子丸に正体を悟られ、悲しい別れとなったが、童子丸が長じて安倍晴明となり、晴明は天皇の病気を治して出世、保名の無実の罪を晴らして家の再興を果たした。

明治5年(1872年)、村社となり、明治40年(1907年)1月に神饌幣帛料共進社に指定された。

明治42年(1909年)には、村社菅原神社(菅原道真)、村社大森神社(家船大神)、村社小竹神社などを合祀。

小竹神社は舊府神社のことか。舊府神社はその後復社したが、当社の飛地境内社だという。

保名に助けられた白狐が、葛の葉に身を変えた際に、鏡に代えて姿を写して確認した姿見の井戸がある。

葛の葉が無事にこちらの森に帰りついたことから、旅に発つ前にこの井戸に姿を写しておけば無事に帰って来られるとされる。

本殿内にみたま石(御霊石)が安置されている。葛の葉が正体を知られ、保名の元を去ってこの社にたどり着き、悲しみながらこの石になったとされる。

本殿左手にそびえる樹齢2000年といわれている千枝の楠がある。市指定天然記念物。花山天皇が熊野行幸の際に称を賜ったもの。

根本から二つに分かれていることから「夫婦楠」と呼ばれ、夫婦円満・良縁成就などのご利益があるとされている。

狐の碑には下記の一文が掘られている。
恋しくば 尋ね来て見よ 和泉なる 信太の森の うらみ葛の葉
末社に楠木神社・厳島神社・白狐社がある。くずもち、交通安全のお守り、ツゲ製のキツネのストラップ、葛の葉伝説の本、張り子のキツネさん、キツネさんの絵馬などの授与品・土産物がある。

群馬県太田市の冠稲荷神社では、自社と当社などを含め、日本七社(日本七稲荷)などと呼んでいる。また、やはり葛の葉の伝承が残る和泉国三宮・聖神社が、当社の西方1.5キロほどに鎮座する。

【ご利益】
商売繁盛、学業・受験合格、良縁、子宝、安産、交通安全など(公式HP
信太森葛葉稲荷神社 - 安倍晴明の母「葛の葉」ゆかりの社、樹齢2000年の「夫婦楠」など
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