ウトウの伝承や和歌が伝わる青森市発祥の地、9月には「青森うとう祭」
[住所]青森県青森市安方2-7-18
[電話]017-722-4843

善知鳥神社(うとうじんじゃ)は、青森県青森市にある神社。近代社格では県社。青森市発祥の地とも。参拝すれば、御朱印を頂ける。ウトウなどをあしらったオリジナルの御朱印帳がある。

第19代允恭天皇の時代、善知鳥中納言安方という者が勅勘を受けて外ヶ浜に蟄居していた時に、高倉明神の霊夢に感じて干潟に小さな祠を建設し、宗像三女神を祀ったのが始り。

現在は、市杵島姫命多岐津姫命多紀理姫命の宗像三女神を主祭神とし、倉稲魂命宮比命猿田彦命海津見大神も祀る。

安方が亡くなると、見慣れない一番の鳥が小祠のほとりに飛んできて、雄はウトウと鳴き、雌はヤスカタと鳴くので、人々はこの鳥を安方の化身として恐れ敬った。

しかし、ある日猟師が誤ってこの雄鳥を狙撃してしまい、以後雌鳥によって田畑が荒らされた。狙撃した猟師も変死したため、祟りを恐れた同郷の人々は雄鳥を丁重に弔った。

その後荒廃したようで、大同年間(806年-810年)に坂上田村麻呂により社殿が造営されて再興された。中世には下記のように当地が歌われている。
子を思う 涙の雨の 笠の上に かかるもわびし やすかたの鳥(西行)
みちのくの 外ヶ浜なる 呼子鳥 鳴くなる声は うとうやすかた(藤原定家)
建仁から天正期(1201年-1592年)の間は同地を支配した領主の南部氏により厚く崇敬されて庇護され、南部氏の騒動で同地が江戸時代に津軽氏の支配地になっても、同氏により手厚い庇護を受けた。

明治時代に入り、明治6年(1873年)に郷社、明治9年(1876年)に県社に昇格。明治40年(1907年)7月に稲荷神社、同年9月に海津見神社を合祀し、現在に至る。

例祭は9月15日で、大祭。前日14日から、「青森うとう祭」として市民に親しまれ、御神輿渡卸・舞楽演奏会・観月茶会・ちびっこザリガニ釣り大会などが催される。

なお、当社は進藤彦興『詩でたどる日本神社百選』に掲載されている。

【ご利益】
家内安全、交通安全、漁業守護、商売繁盛、国家鎮護、方位除けなど(公式HP
善知鳥神社
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善知鳥神社の御朱印