秋祭りは四角・八角の喧嘩神輿「鉢合わせ」、境内社に勝山八幡
阿沼美神社(愛媛県松山市味酒町3-1-1)
[住所]愛媛県松山市味酒町3-1-1
[電話]089-921-8722

阿沼美神社(あぬみじんじゃ)は、愛媛県松山市味酒町にある神社。神紋は「傍折敷角切縮三文字」で、河野氏の家紋に同じ。参拝すれば、御朱印を頂ける。

延喜式』巻9・10神名帳 南海道神 伊予国 温泉郡「阿沼美神社」に比定される式内社(名神大社)の論社。近代社格では県社

主祭神は、大山積命高龗神・雷神(いかずちのかみ。イザナミの体に生じた、大雷火雷黒雷拆雷若雷土雷鳴雷伏雷の八雷神)・味耳命(うましみみのみこと)。

面足神惶根神神八井耳尊 を合祀する。

社伝によれば、越智守興が天智天皇3年(664年)に創建したとされる。味耳命の後裔である久米氏の氏神でもあったとされる。

もとは現在松山城の建つ勝山の頂上にあり、「勝山三島大明神」とも称していた。慶長7年(1602年)、加藤嘉明が松山城を築く際、味酒村に移されたことから「味酒神社」と改称した。

その後も歴代松山藩主から篤く崇敬された。当時、味酒神社の行宮所は堀之内の西ノ馬場と城山東麓の杉谷にあり、それぞれ松山城の裏鬼門・表鬼門とされていた。

また、通りを南に一つ隔てた曹洞宗江勝山雲祥寺は、明治4年(1871年)の神仏分離令が出るまで、当社の別当寺として社僧が仕えていた。

元禄14年(1701年)に社殿を改造。明治3年(1870年)、式内社に比定され、現社号に改称、県社に列格した。

昭和20年(1945年)7月の松山空襲で、社殿など数多くの建物が焼失し、昭和32年(1957年)8月、鉄筋コンクリートの社殿が完成した。

境内社として、金刀比羅神社(大物主命)、味酒天満神社(菅原道真)、勝山八幡神社(品陀和氣命武甕槌命市杵島姫命田心姫命湍津姫命)、伊余夷子神社(蛭子命)、稲荷神社(倉称魂命)がある。

このうち、勝山八幡神社は八幡にしては珍しく武甕槌命を祀るが、松山八社八幡の八番・勝山八幡にあたる。

例祭は10月6日。当日に古式之例大祭が斎行されるが、前日5日には宵宮祭が、翌日7日には松山の秋祭り、神幸祭(後宮祭)が行われる。

神幸祭では、雷神の千木神輿(金色の神明造り型)、大山積命の八角大神輿(金色の高御座型)、高龗神の四角大神輿(黒色の通し屋根型)の順で三体の神輿が宮出しされる。

そのうち四角、八角の二体の喧嘩神輿(鉢合わせ)で知られる。

6月30日の夏越大祓式と7月24日の味酒天神祭宵宮には、隣接する萱町商店街で輪越夜市、天神夜市が夕方より開催され、露店が出店し多くの人が集まる。

式内社「阿沼美神社」の論社は他に、松山市平田町に鎮座する同名神社がある。

【ご利益】
家内安全、厄災除け、水難除け
阿沼美神社(味酒町) - 秋祭りは四角・八角の喧嘩神輿「鉢合わせ」、境内社に勝山八幡
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松山八社八幡
・一番 湯月八幡 伊佐爾波神社
・二番 桑原八幡 桑原八幡神社
・三番 日尾八幡 日尾八幡神社
・四番 正八幡 雄郡神社
・五番 日招八幡 日招八幡大神社
・六番 山崎八幡 朝日八幡神社
・七番 帰熊八幡 還熊八幡神社
・八番 勝山八幡 阿沼美神社内
阿沼美神社(味酒町)の御朱印