北海道、江戸前期に松前藩家老が創祀、近藤重蔵が『東蝦新道記』を献額
十勝神社(北海道広尾郡広尾町茂寄1-13)
[住所]北海道広尾郡広尾町茂寄1-13
[電話]01558-2-2063

十勝神社(とかちじんじゃ)は、北海道広尾郡広尾町にある神社。近代社格では県社。十勝国一宮(十勝一宮、十勝一之宮)などとされる北海道の一宮の一つ。御朱印の有無は不明。

主祭神は大綿津見神(おおわたつみのかみ)。寛文6年(1666年)6月、松前藩家老の蠣崎蔵人広林が十勝国警衛の祈願社として創祀した。

当時より刀勝大明神と称えられて鎮祭していた。その後シマウス海岸に漂着した流木が龍神の形のようだったところから、御神体として祀るようになった。

その後、大漁が続き、漁業が好調だったことから、当地における崇敬が厚くなり、この流木に彫刻を加えて木像とした。その年月日は不詳であるが、丈4寸余りの小像で、聖徳太子に似ていたと伝えられる。

寛政10年(1799年)11月、近藤重蔵がエトロフよりの帰路、広尾・様似間の新道開発の記(『東蝦新道記』)を献額している(現存)。

明治7年(1874年)、開拓使による社寺係取調の際、酒井忠郎が調査上申の末、翌明治8年(1875年)12月に社寺係の通達により仏像及び仏具は退けられ、御祭神を大海津見神と称号することとし、明治9年(1876年)3月に郷社に列した。

明治16年(1883年)、社殿の損壊に伴い改築と、鹽竈神社・稲荷神社の合祀を出願し、許可されて、明治21年(1888年)5月に合祀する。

稲荷神社は天保6年(1836年)3月16日創祀で、御祭神は保食神。鹽竈神社は安政7年(1855年)2月創祀で、御祭神は塩土老翁神

明治22年(1889年)6月30日に社殿が落成し、大正4年(1915年)9月には神饌幣帛料供進神社に指定される。

大正5年(1916年)5月、移転改築が許可され、大正7年(1918年)12月に現在地に改築竣工し奉遷した。昭和20年(1945年)に県社に列せられた。

【ご利益】
大漁満足、海上・交通安全、五穀豊穣・商売繁盛
十勝神社 - 北海道、江戸前期に松前藩家老が創祀、近藤重蔵が『東蝦新道記』を献額
【関連記事】
一宮とは? - その地域の中で最も社格の高いとされる神社のこと、根強い一宮めぐり人気
北海道の一宮 - 松前藩の崇敬、アイヌの伝統などなど、「でっかい道」に点在する七つの神社
北海道の旧県社 | 府県社とは? - 旧県社(縣社)・旧府社、その都道府県の中で有力な神社
北海道の神社 - 本サイトに掲載されている神社で、北海道に鎮座している神社の一覧