裏は「うら」ではなく「うち」、国庁内に祀られた国史見在社の伯耆国総社
国庁裏神社(鳥取県倉吉市国分寺426)
[住所]鳥取県倉吉市国分寺426
[電話]0858-22-4785

国庁裏神社(こくちょうりじんじゃ、國廳裏神社)は、鳥取県倉吉市国分寺にある神社。主祭神は、大己貴命少彦名命。例祭は4月21日。御朱印の有無は不明。

伯耆国総社で、近代社格では県社

主祭神の他、大正年間(1912年-1926年)における合祀で、木花之開耶姫命保食神大山祇命(村社国府神社)、玉依姫命天児屋根命(村社垂井神社)、櫛稲田姫神素盞嗚神(村社清水神社と無格社福光神社)、品陀和気命(村社和田神社と村社東谷神社)、大国主命(無格社横田神社)を祀る。

伯耆国の国造に大八木足尼が任命され、国庁がこの地に設置された。国造は大国主命を深く崇敬し、また、それに協力した少毘古那命も合わせた二柱を国庁の中に祀り、現社号が定着した。国廳裏の裏は、内裏の裏(うち)という意味で、「うら」ではない。

伯耆は、久米、河村、八橋、会見、日野で、国造はこの管内の祭事と政治を担っていたが、奈良時代の元明天皇の時代、和銅2年(709年)11月に、国司である金上元為は事務が多くなり、国中の神社に巡拝することができなくなったため、国中の神社を当社に分霊勧請した。

『日本三代実録』には、貞観15年(873年)に従五位下を授けられたと記されており、いわゆる国史見在社。明治初期に郷社に列したが、昭和20年(1945年)2月に県社に昇格、現在に至る。

「伯耆國総社國廳裏神社」と書かれた社号標が建っており、松・杉・モミ・桧などで構成される鎮守の杜は「伯耆国府の森」として倉吉市の保存林に指定されている。

【ご利益】
縁結び、事業・産業発展、医薬・病気平癒
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