「玉井郷」の中心、玉類工人集団の里の氏神、鳥乞の神事も伝わる
玉諸神社(山梨県甲州市塩山竹森3048)
[住所]山梨県甲州市塩山竹森3048
[電話]-

玉諸神社(たまもろじんじゃ)は、山梨県甲州市にある神社。御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 東海道神 甲斐国 山梨郡「玉諸神社」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では郷社。

御祭神は、天羽明玉命。「天の岩戸の変の時、真榊の枝にかけた八坂瓊五百箇御統玉を造った神である」としている。櫛明玉神であり、フトダマ五柱の一柱。天明玉命、玉屋命とも。

創建は不詳。周辺は古くから石英の産出地で、『和名抄』には「玉井郷」の記載も見られることから、玉類の工人集団が居住し、玉類信仰で生まれた神社と考えられている。

御神体として高さ7尺・周り6尺8寸の水晶の玉に祀ったことから「玉諸」の名が起こったとされる。その水晶は明治初年(1868年)に盗難に遭い、現存していない。

当社は、往古より当地の鎮守で、甲斐源氏の祖新羅三郎義光による社殿造営が伝わる。代表的な神事として11月14日(現在は10月14日=例祭)の鳥乞の神事。

鳥乞の神事は、申の刻に白鳥が来て供物を哺み去るのを見て、翌年の豊凶、物価の騰落を卜すものとされる。

境内案内板には現在も伝承されているとされるが、山梨県神社庁のページのニュアンスでは徳川期の祭事とも受け取れる。

また、社記には、甲斐武田氏の第14代当主で守護大名の武田信重(1386年-1450年)の次の二首が記されているという。
神垣にかゞやく玉の光をぞ身の行末かけてたのまん
あとたれし神の恵みも世にしるく玉の光の数もそへゆく
本宮の他、本宮北東600メートルの竹森山(水晶山)中腹に奥宮(奥の宮)が鎮座する。玉宮大明神が祀られ、本殿の地下にはかつて水晶の玉があり御神体とされたという。

なお、式内社「玉諸神社」の論社には他に、同名の神社が甲府市にある。こちらは甲斐国三宮。

【ご利益】
水晶・宝飾、工芸など
玉諸神社(甲州市) - 「玉井郷」の中心、玉類工人集団の里の氏神、鳥乞の神事も伝わる
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