少彦名命が降臨して村人を救った式内の古社、坂上田村麻呂ゆかり
[住所]兵庫県多可郡多可町加美区的場145-1
[電話]0795-32-0076

荒田神社(あらたじんじゃ)は、兵庫県多可郡多可町加美区的場にある神社。二宮荒田神社とも。御祭神は少彦名命木花開耶姫命素盞嗚命御朱印の有無は不明。

延喜式』巻9・10神名帳 山陽道神 播磨国 多可郡「荒田神社」に比定される式内社(小社)の論社。播磨国二宮で、近代社格では県社

社伝によれば、天平勝宝元年(749年)5月7日、少彦名命が女体唐人束帯赤衣で村内の福原字神丘に降臨し、その夜、村内に大雨が降った。降臨したのは女神、とも伝わる。

村人は雨があがるのを祈ったところ願いがかない、これに感激して村内字野尻に小社を建て、現社号を称したと伝えられている。

あるいは、『播磨国風土記』にみえる天目一箇命、道主日女命を祀った社が当社であるともいわれている。

また、平安時代には坂上田村麿の崇敬を受けたと伝えられているのをはじめ、延暦13年(794年)には勅使として大納言道広の参向があり、播州二宮正一位荒田大明神との宣下があったという。

播磨国二宮として、多くの崇敬を集めてきた。しかし、元亀(1570年-1573年)・天正(1573年-1593年)の頃の兵乱で荒廃。

慶長年間(1596年-1615年)、安楽田の東端道路北方にあったが、寛文8年(1668年)9月、荒田町大火の際、当社をはじめ別当であった大乗寺などが焼失した。

そこで、往古の貝野村氏神大歳神社の境内を拡張して、この地に合祀したと伝えられている。安楽田には現在も当社および式内同名神社があり、式内社「荒田神社」の論社。

江戸期に入り、明石藩主の崇敬などもあって、復興。延宝5年(1677年)の荒田町検地には大歳神社境内社と掲げられている。弘化元年(1844)4月に御鎮座千年祭が行われている。

明治7年(1875年)2月に郷社に、大正3年(1914年)12月に県社に昇格した。大正5年(1916年)4月11日、神饌幣帛料供進神社の指定を受けた。

建物は、檜皮葺流造の本殿と檜皮葺入母屋造の拝殿があり、宝物として剣、古刀、宝鏡などがある。

県指定の天然記念物「勅使の杉」があったが、昭和40年(1965年)の台風23号の襲来によって倒伏した。

境内社に、八幡神社(太和氣命)、春日神社(天児屋根命)、秋葉神社(迦具土神)、愛宕神社(迦具突智神)、天満神社(菅原道真)、蛭子神社(蛭子命)、太神宮社(豊受大神)がある。

【ご利益】
厄除け、身体健全、安産など
荒田神社(多可町) - 少彦名命が降臨して村人を救った式内の古社、坂上田村麻呂ゆかり
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