丹波国二宮、弥生時代からの祭政中心地で、大宮売神を祀る最も古い社
[住所]京都府京丹後市大宮町周枳1022
[電話]0772-64-2454

大宮売神社(おおみやめじんじゃ、大宮賣神社)は、京都府京丹後市大宮町にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「大宮売神社二座(丹後国・丹波郡)」に比定される式内社(名神大社)。丹後国二宮で、近代社格では府社

天照大神に仕え天皇を守護する八神の一柱であり、織物と酒造を司る大宮売神(おおみやめのかみ)、食物・穀物を司る女神である若宮売神(わかみやめのかみ、豊受大神)の二神を祀る。

大宮売神は、天宇受売命(天鈿女命)と同一視される。草創の年代は不詳。

境内から出土する多数の遺物から、この地は弥生時代の頃に、古代天皇家の祭祀を司った人々の生活があり、稲作民による祭祀呪術的な権力を持つ豪族の国(大丹波)の祭政の中心の地だったと考えられている。

6世紀頃、大和朝廷に統一された後、大宮売神は『延喜式』神名帳 宮中京中 宮中坐神 神祇官西院坐御巫等祭神(大社、月次新嘗)、いわゆる八神殿の1柱。当社はこの神を祀る最も古い社とされる。

さらに『延喜式』神名帳 宮中京中 宮中坐神 造酒司坐神の中に大宮売神社四座が見える。当社との関係は不明だが、「食」「酒」に関わるものとして、無関係とは思えない。

ただし、丹後国丹波郡の項には大宮売神社二座とあり、この二座の差が不透明。

『新抄格勅符抄』によると、大同元年(806年)に神封七戸を得たとされ、大宮売神に神領2500石、若宮売神に1500石の神封が充てられ、貞観元年(859年)には従五位上の神階を賜わっている。

『丹後国田数帳』によると、三十町伍反十歩が神領であり、中世の頃にも祭儀は盛大を極めていたことが推察できる。本殿の裏手は今でも「禁足の杜」となっている。

旧本殿は元禄8年(1695年)に建てられたとされ、丹後半島では珍しい隅木入春日造。昭和2年(1927年)の丹後大震災で損壊し、現在は忠霊社として移築。

境外社・御旅所として当社から500メートルほどのところに石明神遺跡(古墳時代後期の横穴式石室跡)がある。

境内には石燈籠2基があり、うち1基には「徳治二年(1307年)丁未三月七日」の刻銘がある。鎌倉時代の石造美術品として貴重で、国の重要文化財に指定されている。

また境内そのものも祭祀遺跡(大宮売神社遺跡)であり、府の史跡に指定されている。

明治5年(1872年)に旧宮津藩主の居宅を社務所として移築。明治6年(1872年)には郷社に指定され、大正13年(1924年)4月5日、府社に昇格。

摂末社には、大歳神社(大歳命御年命)、武大神社(素戔嗚命)、大川神社(保食命)、秋葉神社(訶具土命)、稲荷神社(倉稲魂命)、佐田彦神社(猿田彦命事代主命)、三社の社として、天照皇神社(天照大神)・春日神社(天児屋根命)・八幡神社(誉田別命)があり、天満神社(菅原道真)がある。

例祭は10月第1土・日曜。秋祭りとして、笹ばやし・神楽・三番叟・太刀振り、大人神輿・子供神輿がある。小野道風筆といわれる扁額がある。

なお、宮中御巫等祭神八座の1柱である大宮売神の名跡を伝えるとされるものに、京都市上京区主税町の大宮姫命稲荷神社がある。

【ご利益】
諸産業の振興、商売繁盛、所願成就
大宮売神社 - 丹波国二宮、弥生時代からの祭政中心地で、大宮売神を祀る最も古い社
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『延喜式神名帳』神祇官西院23坐の主な関連社
御巫等祭神八座……大宮売神社(京都府京丹後市)
座摩巫祭神五座……坐摩神社(大阪市中央区)
御門巫祭神八座……櫛石窓神社(兵庫県篠山市)
生嶋巫祭神二座……生國魂神社(大阪市天王寺区)
大宮売神社の御朱印