伊勢神宮の真西に鎮座し、蛇と竜の伝承に彩られた大和の大蛇の尾
[住所]奈良県葛城市長尾471
[電話]0745-48-3018

長尾神社(ながおじんじゃ)は、奈良県葛城市長尾にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「長尾神社(大和国・葛下郡)」に比定される式内社(大社)。近代社格では郷社。

長尾の森の広大な神域に鎮座し、このあたりを支配していた長尾氏の氏神とされる。また吉野連との関係があるとも。

『日本三代実録』に、「貞観元年己卯(875年)正月二十七 日大和国従五位下、長尾神社従五位上」とある。

社伝によると、寛平9年(897年)より弘安4年(1281年)までの間に九階進昇。弘安4年には正二位、江戸時代には正一位にまで昇進した。

『放光寺古今縁起』(1302年)や『大和志』(1736年)によると、御祭神は伊勢の神宮(伊勢神宮)の皇大神宮(内宮)及び豊受大神宮(外宮)の天照大神豊受大神である。

伊勢神宮の真西に鎮座していることから、古くから人々の篤い信仰を得た。鎮座地は竹内街道、長尾街道、横大路が交差する交通の要衝である。旅行・交通安全の神としても知られる。

また住吉・熱田・諏訪の神々も祀られている。江戸期の文献では水光姫命、白雲別命も祀られたとある。

白雲別命は水光姫命の子。水光姫命は白蛇の化身ともされ、また、巳信仰でも知られる大神神社が蛇の頭、当社が蛇の尾に擬されることがある。「長尾」の由来ともなったという。

『放光寺古今縁起』には、当社は「葛下郡全体の総社である。天武天皇が壬申の乱(672年)で勝利した後に感謝の気持ちから葛下郡一郡を当社に献じられた」と記されている。

参道は拝殿に向かって東西に長く伸びており、一の鳥居は近年新たに竣工した。 二の鳥居の両脇には「なで蛙」が配され、安産祈願の神としても名高い。

当社はどちらにしろ蛇や、同一属性と考えられる竜と関係が深い。大神神社の他、竜王社とも呼ばれる大和高田市の石園座多久虫玉神社が竜の頭であり、当社が尾ともされる。当社の手水舎を司るのが竜である。

また、竜王社が大蛇の胴体であり、大神神社−竜王社−長尾神社が大蛇の化身であるという説もある。

そのため、三輪明神(大神神社)と龍王宮(竜王社・石園座多久虫玉神社)の拝殿や本殿は西を、当社の本殿は東を向き、お互いが向き合っていると言われる。

三社あわせて、大和の大蛇、あるいは大和の大蛇三社と呼ばれることも。ちなみに伊勢神宮の真西に鎮座し、東を向いているのであれば、伊勢神宮に向いている、とも言える。

以上のような伝説から、近年では龍神、白大蛇の神々の宿る神聖な巡礼地(スピリチュアルスポット)としても有名になった。

例祭は10月4日。3月4日にはおんだ祭(御田植神事と御供蒔)があり、10月第2土・日曜のだんじりもよく知られている。

【ご利益】
旅行・交通安全、安産
長尾神社(葛城市) - 伊勢神宮の真西に鎮座し、蛇と竜の伝承に彩られた大和の大蛇の尾
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