古代史の謎は「鉄」で解ける (PHP新書)
・刊行:2015/10/16
・著者:長野正孝
・出版:PHP研究所

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船をつくるための鉄斧や武器となる刀の材料になるなど、鉄は古来きわめて重要な資源であった。紀元前から倭人は鉄を朝鮮半島から輸入していたが、1-2世紀に『後漢書』などが伝える「倭国大乱」が起こる。

著者はこれを、高句麗の南下によって起こった「鉄の爆発」を伴う社会変革だと考える。

それ以降、日本に遊牧民の文化である「光る塚」がつくられ、「鉄の集落」が全国で形成された。

そして、都市国家連合である「倭」は朝鮮半島の海上権益を巡り、4世紀末から高句麗と戦うことになる。騎馬民族高句麗は非常に強く倭は軍事的に敗北するも、伽耶国の鉄工業が河内に導入され、ヤマトの工業力は高められた。

一方、前方後円墳が大量に築造されるが、鉄資源の流れからみれば実利を得る公設市場と看破、あの不思議な形は鉄の交易に関わる秀逸なアイデアの賜であった――。

船と港の専門家が、鉄の交易に着目し日本の原像を探る。ベストセラー『日本史の謎は「地形」で解ける』著者、竹村公太郎氏も推薦!

■鉄を運ぶために生まれてきた海洋民族「倭人」
■黒曜石と土笛が語る草創期の「鉄の路」
■高句麗の南下によって生まれた「倭国大乱」
■日本海を渡る知恵――準構造船の技術革新
■突然できた日本海の鉄の集落
■鉄から見た卑弥呼の国――倭国と大和は別の国
■敦賀王国をつくった応神天皇
■倭国が朝鮮半島で戦った理由――「鉄の路」の維持
■前方後円墳はなぜ普及し、なぜ巨大化したのか
■埴輪の役割