拾い上げた猿田彦大神を祀る、戦国期に前田利家が復興、利長が始めた神事能
[住所]石川県金沢市寺中町ハ-163
[電話]076-267-0522

大野湊神社(おおのみなとじんじゃ)は、石川県金沢市寺中町にある神社。参拝すれば、御朱印を頂ける。

『延喜式神名帳』にある「大野湊神社(加賀国・加賀郡)」に比定される式内社(小社)。近代社格では県社、現在は神社本庁の別表神社

神亀4年(727年)、陸奥の人、佐那(さな)が航海中に猿田彦大神を拾い上げ、大野庄真砂山竿林にすでにあった神明社(御祭神:天照大神)の傍らに一祠を建立し勧請したのが始まり。

この合祀より大野郷(旧宮腰・現金石町)の湊の守護神として、現社名が定着するようになった。天平元年(729年)に「佐那武大明神」の称号を与えられる。

社号は佐那武大宮大明神または佐良嶽明神。平安末期には現社名が一旦消え、かわって「佐那武社」の名が見えるようになる。

『白山之記』によれば、このころの当社は加賀馬場白山宮の有力末社となっていた。

現在、境内末社として佐那武白山神社を祀るのは、その名残りであり、白山信仰、白山市の白山比咩神社との関連が指摘される。

鎌倉時代の建長4年(1252年)、火災により古大野から東八丁をへだてた寺中町の現在地である離宮八幡宮に奉遷された。戦国時代には荒廃したが、前田利家により再興。

江戸時代初期の慶長9年(1604年)からは、恒例となる神事能の奉納が前田利長によって始められた。現在も5月15日に奉納される。

社殿は寛永16年(1639年)、前田利常によって造営された。明治18年(1885年)に県社に指定。昭和41年(1966年)、別表神社に指定。

御祭神は本殿に、八幡社が護國八幡大神、相殿に鎮魂八神、神明社に天照皇大御神、相殿に瀬織津姫神、佐那武社に猿田彦大神を祀る。

毎年8月1日より3日間執り行われる大祭は、525年間大野郷に鎮座していた当時を偲び、海岸の仮殿に神輿を奉遷して行なわれるもので、金石の夏祭りとして有名である。

末社には、佐那武白山神社(伊邪那岐命少彦名命天満宮)の他、春日社(武甕槌命、経津主命、天兒屋根命、比咩大神)、西宮社(事代主神)、荒魂社(荒魂大巳貴神)がある。

【ご利益】
みちびきの神、厄除け、交通安全など(公式HP
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大野湊神社の御朱印