執権北条時頼が伝授した能を、「水海の田楽・能舞」として伝える式内古社
[住所]福井県今立郡池田町水海52-24
[電話]0778-47-2830

鵜甘神社(うかんじんじゃ)は、福井県今立郡池田町水海にある神社。池田町役場前の国道476号線を少し北上、県道175号線を東進。御朱印の有無は不明。

『延喜式神名帳』にある「鵜甘神社(越前国・今立郡)」に比定される式内社(小社)の論社。近代社格では村社。

2月15日の春大祭に奉納される田楽と能が「水海の田楽・能舞」として、国の重要無形民俗文化財に指定されている。御朱印の有無は不明。

第21代雄略天皇7年の創建。応神天皇(第15代天皇)、神功皇后(第15代天皇の母)、武内宿禰を主祭神としている。

一説には大己貴大神も。江戸時代までは八幡社であったという。天御中主神保食神、太田命、御年神を配祀する。

第26代継体天皇が越前にいたころに、「足羽の水源神」として祀られた。

当地の東方に土地の人に親しまれている部子山(1464メートル)があり、当社は部子山信仰の山頂に鎮座する上宮に対して下宮として尊崇されたとも。

しかし松ケ谷に部子神社という神社が存在し、部子山山頂の上宮に対し、下宮として創建されたという由緒があるという。

鎌倉時代末期、杣山城の城主瓜生氏の手厚い保護を受け、そのもとで、社運は大きく隆盛した。

この頃、「水海の田楽・能舞」の発祥とも関わる、執権北条時頼の隠密裏の当地への行脚、能の伝授の伝承が残る。能『鉢木』と同じような内容となっている。

社宝の王の面は、県内でも最古の正安4年(1302年)の作。

明治43年(1910年)9月3日に全区無格社、加宝五所神社(賀宝五所神社)を合祀した。

現在は毎年2月13日に「ばいもしょ」と呼ばれる初春の予祝神事は加宝五所神社の御田植神事(新年祭)を継承したもの。

この神事では、拝殿から撒かれた五本の棒を激しく奪い合うことから、「棒ちぎり」とも言われている。水海の「なるわい」神事とも。

なお、式内社「鵜甘神社」の論社は他に、越前市の入谷町片屋町南条郡南越前町に当社および式内同名神社、越前市西樫尾町の荒樫神社の境内社がある。

【ご利益】
五穀豊穣・財運、厄除け、武運長久、開運
鵜甘神社 - 執権北条時頼が伝授した能を、「水海の田楽・能舞」として伝える式内古社
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