行基が創建、義経ゆかり、お山がけ神事や過酷な神輿渡御祭など
[住所]宮城県気仙沼市赤岩上羽田213
[電話]0226-23-5549

羽田神社(はたじんじゃ)は、宮城県気仙沼市赤岩上羽田にある神社。羽田地域の鎮守であり、旧暦8月に行われるお山がけ神事が「羽田のお山がけ」として、国の重要無形民俗文化財に指定されている。御朱印の有無は不明(公式HP)。

御祭神は、倉稲魂命(うがのみたまのみこと)、月読命(つくよみのみこと)、大名持命(おおなもちのみこと)の三柱。

今からおよそ1300年程前、奈良時代の養老5年(721年)に、行基により五穀豊穣・疫病閉塞を祈って創建された。大同元年(806年)に田村将軍利成の建立ともいわれているが、これは再建のことだと考えられている。

田村将軍利成は『立烏帽子』などに見えるが、坂上田村麻呂の田村麻呂伝説、悪路王の伝承などが、当社の社伝に反映されたと思われる。

中世に下って建久3年(1190年)、豊後守尾形三郎惟義によって再興され、以降廃れることなく現在に至っている。

『奥羽観蹟聞老誌』によれば、尾形三郎惟義は、もとは緒方と称し、豊後国の住人であったが、後に源義経に属し、義経が鎌倉に追捕された際に姓を尾形と改めた。

そして義経を追って当地に下り、陣太刀一振りを寄進して自ら祭主の任に当たって一族主従の命運を祈ったといわれる。惟義は、現在の宮司家の祖と思われる。

当社はもとは波多権現、羽田山大権現、あるいは羽田三所権現とも称され、県外にも広く信仰を集め奥東の古社として知られている。

先のお山がけ神事の他、旧暦9月29日に神輿渡御祭がある。『風土記御用書』(安永9年(1780年))において、すでに当地最大の祭典であることが記されている。市内の北野神社、五十鈴神社を経由して帰路に至る、200キロ以上の神輿を12時間にわたって担ぐ、過酷な祭典。

5月下旬には長柴田植踊など御田植祭(御田植神事)が行われる。元旦の燈篭まつりは境内・参道に多くの灯籠が飾られ、幻想的な雰囲気を醸し出す。

御神木として、県の天然記念物にしていされている太郎坊杉・次郎坊杉がある。樹高はいずれも40メートル以上。社伝によれば、文治2年(1186年)、維義の嫡子小太郎維久、次男の維村の手植え杉と言われる。樹齢800年を経てなお樹勢は盛ん。

【ご利益】
五穀豊穣、疫病閉塞、開運、所願成就など
羽田神社(気仙沼市) - 行基が創建、義経ゆかり、お山がけ神事や過酷な神輿渡御祭など
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