読み:いつくしまじんじゃ
員数:2棟
種別:建造物の部 近世以前/神社
時代:桃山 永禄-慶長年間(1558年-1615年)
重文:1899.04.05(明治32.04.05)
国宝:1952.03.29(昭和27.03.29)
都道府県:広島県
所在地:廿日市市宮島町
所有者:厳島神社
管理者:-

厳島神社の東西廻廊は、一般の神社の廻廊のように敷地を四角く区切るものではなく、海上の各建物と陸地とを結ぶ渡り廊下の役を果たしている。

西廻廊は折れ曲がり62間で、一重、東端切妻造、西端唐破風造、檜皮葺。西端は地上部に発し、海上に建つ能舞台を囲むように4回直角に折れた後、本社祓殿西面に接続する。

東廻廊は折れ曲がり45間で、一重、切妻造、檜皮葺。東北端は地上部に発し、客神社の祓殿と拝殿の間を通り、3回直角に折れた後、本社祓殿東面に接続する。

両廻廊とも組物は舟肘木とし、平舞台と同様、床板は高潮時の水圧を逃がすため、隙間を空けて張っている。内部架構は梁間方向に直材の虹梁を渡し、その上に又首を組み、又首上の舟肘木で桁を支える。

廻廊には棟札が多数残り、室町時代末期から桃山時代にかけて順次整備されたものであることがわかる。附けたりとしてこれらの棟札も国宝に指定されている。

廻廊の現在の床板は明治末期頃に張り替えたもので、磨滅防止のため、本来の床板の上にに保護板が張られている。

厳島神社全体として、世界文化遺産「厳島神社」に登録されている。本件の他に、本社本殿・幣殿・拝殿本社祓殿摂社客神社本殿・幣殿・拝殿、摂社客神社祓殿の計6棟が国宝に指定されている。
国宝「厳島神社廻廊」(広島県廿日市市)
【関連記事】
厳島神社 - 海中に立つ大鳥居が映える世界遺産、宗像三女神を祀る安芸国一宮
社殿が国宝に指定されている神社 - 日本広しといえどもわずかに27社しかない超レア神社