読み:きびつじんじゃほんでんおよびはいでん
員数:1棟
種別:建造物の部 近世以前/神社
時代:室町中期 応永32年(1425年)
重文:1902.04.17(明治35.04.17)
国宝:1952.03.29(昭和27.03.29)
都道府県:岡山県
所在地:岡山市吉備津
所有者:吉備津神社
管理者:-

吉備津神社の本殿及び拝殿は、足利義満の命により応永32年(1425年)に再建された。30年もの歳月が費やされたという。本殿は吉備津造、桧皮葺、正面七間、側面八間。

正面七間・側面八間の柱間というのは大変な大建築で、面積的には出雲大社本殿の二倍以上となる。安芸の厳島神社本殿に匹敵する床面積となる。

本殿の平面は三間社の周囲に庇を二重に廻した形式をとり、内部に向かって次第に床と天井を高めている。内部は朱漆・丹・胡粉などで彩色を施してある。

屋根は前後二つの入母屋造を連結した比翼入母屋造と呼ばれる特異な外観を見せる。吉備津神社にしか見られない形式である。

本殿前には妻入りの拝殿が接続し、妻入りに裳階、腰屋根を付け、本殿と同様に大仏様の手法を示す。柱は本殿と同じ太さの円柱を用いており、本殿と拝殿はもともと一体のものとして設計された。

大仏様に関連して、鎌倉時代初頭に東大寺大仏殿を再建した重源との関わりを指摘する考えもあるが、独特な社殿形式の由来は明かでないが、中世を代表する大型の神社建築として価値が高い。
国宝吉備津神社本殿及び拝殿
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