読み:みかみじんじゃほんでん
員数:1棟
種別:建造物の部 近世以前/神社
時代:鎌倉後期 建治から元弘の頃(1275年-1332年)
重文:1899.04.05(明治32.04.05)
国宝:1952.11.22(昭和27.11.22)
都道府県:滋賀県
所在地:野洲市三上
所有者:御上神社
管理者:-

御上神社本殿は、桁行三間、梁間三間、屋根が一重の入母屋造、檜皮葺きの拝殿の裏手に、三棟、横一列に並んで建てられている社殿のうちの、中央の社殿。左側が摂社である若宮神社本殿、右側が同じく摂社の三宮神社本殿。

これらの建造物はいずれも文永12年(1275年)から元弘2年(1332年)にかけて、鎌倉時代後期に整備されたもの。楼門、拝殿、若宮神社本殿が重要文化財に指定されている。

本殿は拝殿同様、桁行三間、梁間三間で、屋根もまた檜皮葺きの一重入母屋造で、正面には一間の向拝が付けられている。

その建築様式は純粋な神社建築ではなく、寺院の仏堂や、御殿建築の様式も取り入られている独自のもので、御上造と呼ばれている。

屋根の上には神社建築の証である千木、鰹木が乗っているものの、白漆喰の壁や連子窓など、仏堂的要素が特に強い。

その正確な建立年こそ不明であるが、建築手法より鎌倉時代に建立されたと考えられている。また、建物の周囲に回された縁の礎石に、南北朝時代である建武4年(1337年)の銘が見られることから、縁や向拝の部分はこの時代に改造されたものであると見られる。

本殿は飾り気が少なく、組物も隅柱の上にのみ舟肘木(ふなひじき)を、向拝の柱上に連三斗(つれみつど)を乗せ、その中備として蟇股を入れる程度である。

建具は正面および左側面に板戸を入れている。内部は一間四方の内陣と、その周囲を巡る一間の外陣に分かれており、内陣には厨子が安置されている。

なお、この厨子は室町時代に作られたとされるもので、本殿の附けたりとして国宝指定を受けている。
国宝「御上神社本殿」(滋賀県野洲市)
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