読み:おおさきはちまんぐうほんでん、いしのま、はいでん
員数:1棟
種別:建造物の部 近世以前/神社
時代:桃山 慶長12年(1607年)
重文:1903.04.15(明治36.04.15)
国宝:1952.11.22(昭和27.11.22)
都道府県:宮城県
所在地:仙台市青葉区八幡四丁目
所有者:大崎八幡宮
管理者:-

大崎八幡宮の社殿はいわゆる権現造の形式をもち、五間に三間の本殿と七間に三間の拝殿との間を石の間が連結する形である。

石の間の床を低くし、本殿前面の軒先を石の間の内部にみせている点は、権現造の本来の姿をとどめるものであるが、石の間の拝殿寄りの部分に折上格天井を上げ、それを本殿軒先の軒付のところでおさめているのは、同年竣工の北野天満宮とはちがう工夫である。

当社の社殿の特色の一つは装飾にある。軸部に黒漆または丹朱を塗り、組物、内法長押、丸桁等の部材には文様彩色を施す。

蟇股や木鼻、手挟、唐破風のなかなどに彫刻をつけ、破風、高欄、長押などに飾金具を取り付けている。

また本殿、拝殿の壁面、石の間天井に絵を描く。こうして社殿に内外はきわめて色彩に富み、同時代の北野天満宮よりもはるかに桃山時代の気分が濃厚である。

本 殿……桁行五間、梁間三間、一重、入母屋造、こけら葺
石の間……桁行一間、梁間一間、一重、両下造、こけら葺
拝 殿……桁行正面七間、背面五間、梁間三間、一重、入母屋造、正面千鳥破風付、向拝五間、軒唐破風付、こけら葺
国宝「大崎八幡宮本殿・石の間・拝殿(1棟)」(宮城県仙台市)
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